乳牛の妊娠期における栄養状態が新生子の生時体重と活力ならびに胎盤の排出時間に及ぼす影響

乳牛の妊娠期における栄養状態の指標となる血液成分の変動と新生子の生時体重と活力並びに胎盤の排出時間と重量との関係を明らかにする目的で試験を行った。供試牛はホルスタイン種経産牛41頭で、乾乳期間は74±2(平均±SEM)日、1乳期の乳量は9,795±146kgであった。平均在胎日数、分娩時体重および胎盤小葉重量は、それぞれ、283.7±0.5日、761±11kg、1562±33gであった。子牛の生時体重は、雌で47.4±1,1kg、雄で49.8±O.8kgであった。41頭中10頭が虚弱子牛を娩出し、13頭が胎盤停滞を起こした。泌乳の中期から後期にかけて、血糖および血漿総蛋白値が低値を示した例では...

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Published inThe Journal of reproduction and development Vol. 48; no. 4; pp. 415 - 422
Main Authors 張, 文昌, 中尾, 敏彦, 木田, 克弥, 森好, 政晴, 中田, 健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 01.08.2002
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ISSN0916-8818

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Summary:乳牛の妊娠期における栄養状態の指標となる血液成分の変動と新生子の生時体重と活力並びに胎盤の排出時間と重量との関係を明らかにする目的で試験を行った。供試牛はホルスタイン種経産牛41頭で、乾乳期間は74±2(平均±SEM)日、1乳期の乳量は9,795±146kgであった。平均在胎日数、分娩時体重および胎盤小葉重量は、それぞれ、283.7±0.5日、761±11kg、1562±33gであった。子牛の生時体重は、雌で47.4±1,1kg、雄で49.8±O.8kgであった。41頭中10頭が虚弱子牛を娩出し、13頭が胎盤停滞を起こした。泌乳の中期から後期にかけて、血糖および血漿総蛋白値が低値を示した例では、子牛の生時体重、胎盤重量ともに低く、新生子虚弱の発生率が高かった。また、乾乳の後期において、血糖と血漿コレステロールおよびCa濃度が低値の例では、胎盤停滞発生率が高かった。このように、妊娠期における低栄養は胎子・胎盤系の発育に悪影響を及ぼし、新生子虚弱や胎盤停滞の原因となる可能性のあることが示唆された。
Bibliography:ZZ00014744
652351
ISSN:0916-8818