12.荒川区立心身障害者福祉センターにおける過去10年間の補装具作製と使用調査

当センター開所以来10年がたち補装具作製数も増加した. 今回, 我々は当センターでの補装具作製後, どのように使用しているかを, 呼び出して実際に調査した. 調査対象は, 昭和48年6月より昭和58年5月末までに補装具に作製した282人(男175人, 女107人)である. そのうちわけは, 車いす118人, 下肢装具94人, 義肢21人, その他49人である. 疾患別ではCVAが過半数以上であり, 年齢別でも60歳以上が多かった. 補装具の使用状況は, かなり高率を占めていたが, 未使用の理由としては, 長期間使用していないために抵抗がある, 補装具が重い, ならびに症状の改善などであった....

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 21; no. 5; pp. 322 - 323
Main Authors 石上宮子, 菅原幸子, 大野博子, 上田禮子, 久保寺大也, 藤原英士, 月川奏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.09.1984
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:当センター開所以来10年がたち補装具作製数も増加した. 今回, 我々は当センターでの補装具作製後, どのように使用しているかを, 呼び出して実際に調査した. 調査対象は, 昭和48年6月より昭和58年5月末までに補装具に作製した282人(男175人, 女107人)である. そのうちわけは, 車いす118人, 下肢装具94人, 義肢21人, その他49人である. 疾患別ではCVAが過半数以上であり, 年齢別でも60歳以上が多かった. 補装具の使用状況は, かなり高率を占めていたが, 未使用の理由としては, 長期間使用していないために抵抗がある, 補装具が重い, ならびに症状の改善などであった. 仕事としては, かなり補装具が使用されているにもかかわらず, 無職が多かった. 以上の調査結果からみて, 補装具は90%以上使用されているが, 無職が多いのは, ケースに高齢者が多く, 基礎疾患の治療のために病院通院時に使用することが多く, 家庭内でも自分の身のまわりのことをするのがやっとで, 仕事をするという状態に達しないものといえる. 補装具の使用に関してはケース相互間, あるいは家族との十分な話合い, 訓練が必要であり, 補装具が日常生活の体の一部として考えられるようになるには使いなれる同時に, 破損などによるブランクのないような交付が得られるような行政面での検討も必要ではないかと思われた. 質問 兵庫県リハセンター 南久雄:車いすについて, 交付された人の96%の人が使用しているとの回答にもかかおらず, 10年間の再交付例が4名と大変少ない. その理由は, 利用頻度が大変少ないためなのか, 車いすの耐久性の向上によるものなのか御教え下さい. 答 石上宮子:車いすの2回以上作製者の少ない理由は, (1)ていねいに使っており手入れがよい. (2)通院, 訓練時の介助用に使用しているため, 使用回数が少ない, などがあげられます. 発言 東京都心身障害者福祉センター 藤森達朗:ただいまの, 車いすの調査のことですが, 東京都では57年度の特別調整を, すでに500名ほど追跡調査しました. 入手のみで使用しない人もあり, 見積以外のもの, 一部負担金の二重払もあります. 調査のご報告に対し追加発言させていただきました.
ISSN:0034-351X