16. 喉頭気管分離・気管食道吻合術に残存した重度摂食・嚥下障害に対するリハビリテーション的アプローチ
症例は左脳出血の既往のある64歳, 男性. 2002年10月18日に右脳梗塞を発症し, 11月26日当科に入院した. 発声は困難, 口腔内の咀嚼や送り込み不能, 有効な嚥下反射は惹起されず, 12月3日に胃瘻造設した. 嚥下訓練は効果なく, 経管栄養で自宅に退院した. その後発熱や肺炎を繰り返し, 2003年6月28日当院内科に入院した後は, 中心静脈栄養管理となった. 肺炎防止のため9月17日K大耳鼻科で喉頭気管分離, 気管食道吻合術が行われた. 術後も経口摂取困難のため12月8日当科に再入院した. 咀嚼や送り込み不能に対し, 食事は液体, 半固形物とし, 上体を60度後傾して送り込むように...
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| Published in | リハビリテーション医学 Vol. 41; no. 12; p. 888 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本リハビリテーション医学会
18.12.2004
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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| ISSN | 0034-351X |
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| Summary: | 症例は左脳出血の既往のある64歳, 男性. 2002年10月18日に右脳梗塞を発症し, 11月26日当科に入院した. 発声は困難, 口腔内の咀嚼や送り込み不能, 有効な嚥下反射は惹起されず, 12月3日に胃瘻造設した. 嚥下訓練は効果なく, 経管栄養で自宅に退院した. その後発熱や肺炎を繰り返し, 2003年6月28日当院内科に入院した後は, 中心静脈栄養管理となった. 肺炎防止のため9月17日K大耳鼻科で喉頭気管分離, 気管食道吻合術が行われた. 術後も経口摂取困難のため12月8日当科に再入院した. 咀嚼や送り込み不能に対し, 食事は液体, 半固形物とし, 上体を60度後傾して送り込むように指導した. 嚥下反射が不良のため食道入口部からの流入は食事内容の一部に限られた. 気管食道吻合部が, 液体の一部と半固形物の大半の食道へのバイパス路として有効に機能していた. 十分な経口摂取能力を獲得するためには, 術後の摂食, 嚥下訓練が重要である. |
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| ISSN: | 0034-351X |