6.小規模事業場における労働者参加型のメンタルヘルス対策について

和歌山県内の27小規模事業場の従業員1,007人を対象に,ストレス度の結果をもとに職場に相応しい環境改善策を労働者自らが考えて実践することで,ストレス度がどの程度改善するのかを検証した.ストレス度の評価には,「職業性ストレス簡易調査票」を用いた.話し合われた主な取り組みは,個別面談やミーティングの活用,作業マニュアルの見直しなどであった.取り組み開始約2か月後に再度調査を実施し,話し合いの有無別にストレス度を検討した結果,実施群では,自覚的な仕事の負担(質)が軽減し,上司からの支援度が増加したが,未実施群と有意差を認めるほどではなかった.職場のストレス判定図の指標では,実施群の量的負担が低下し...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 49; no. 2; p. 71
Main Authors 森岡郁晴, 菊岡弘芳, 生田善太郎, 宮下和久, 岡 久雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.03.2007
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:和歌山県内の27小規模事業場の従業員1,007人を対象に,ストレス度の結果をもとに職場に相応しい環境改善策を労働者自らが考えて実践することで,ストレス度がどの程度改善するのかを検証した.ストレス度の評価には,「職業性ストレス簡易調査票」を用いた.話し合われた主な取り組みは,個別面談やミーティングの活用,作業マニュアルの見直しなどであった.取り組み開始約2か月後に再度調査を実施し,話し合いの有無別にストレス度を検討した結果,実施群では,自覚的な仕事の負担(質)が軽減し,上司からの支援度が増加したが,未実施群と有意差を認めるほどではなかった.職場のストレス判定図の指標では,実施群の量的負担が低下し,量一コントロール判定図のリスクが軽減し,総合健康リスクは軽減していた.小規模事業場でも簡単にできる職場内の相互支援を中心とした取り組みで,職場のストレス度がある程度改善されることが明らかになった.
ISSN:1341-0725