10.橋および中脳の脳卒中による重症後遺症3例のリハビリテーション治療の経験
脳幹部脳卒中では様々な後遺症を残し, 系統的なリハビリテーション治療は確立されていない. 今回, 重症後遺症3例を経験したので報告する. 症例1は橋梗塞で閉じ込め症候群の状態. 座位訓練と嚥下訓練により座位保持, 経口摂取が可能となり自宅退院した. 症例2は橋から左中脳の出血で遷延性意識障害の状態. 強制立位など覚醒を促す訓練を行い, 若干の改善を認めたが, 遷延性意識障害となった. 症例3は橋出血に右被殻出血を合併. 顔面, 舌, 咽頭の不随意運動があり呼吸, 嚥下障害を呈していた. 不随意運動に対し, ボトックス治療を施行し症状は軽快, 口唇の動きで意思疎通が可能となった. 脳幹部病変にお...
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| Published in | リハビリテーション医学 Vol. 41; no. 2; p. 112 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本リハビリテーション医学会
18.02.2004
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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| ISSN | 0034-351X |
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| Summary: | 脳幹部脳卒中では様々な後遺症を残し, 系統的なリハビリテーション治療は確立されていない. 今回, 重症後遺症3例を経験したので報告する. 症例1は橋梗塞で閉じ込め症候群の状態. 座位訓練と嚥下訓練により座位保持, 経口摂取が可能となり自宅退院した. 症例2は橋から左中脳の出血で遷延性意識障害の状態. 強制立位など覚醒を促す訓練を行い, 若干の改善を認めたが, 遷延性意識障害となった. 症例3は橋出血に右被殻出血を合併. 顔面, 舌, 咽頭の不随意運動があり呼吸, 嚥下障害を呈していた. 不随意運動に対し, ボトックス治療を施行し症状は軽快, 口唇の動きで意思疎通が可能となった. 脳幹部病変においては, 神経学的所見の把握と機能予後の予測を行い, 個々の症例に応じた治療が必要と考えられる. |
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| ISSN: | 0034-351X |