8. 脳梗塞再発後に左半側空間無視とFoix-Chavany-Marie症候群を呈した若年男性の1例
25歳, 男性. 18歳時, 左中大脳動脈閉塞にて脳梗塞, 右片麻痺生じるが軽度のBroca失語を残し軽快した. 2005年2月, 右中大脳動脈領域の広範な脳梗塞再発により重度左片麻痺, 左半側空間無視と発話, 発声, 咀嚼, 嚥下障害を認めた. 顔面は無表情で弛緩し口部顔面の随意運動は全く不能だが, 欠伸や泣き笑いなどの自動運動は可能でautomatic-voluntary dissociationを認めた. 発症6ヵ月後の入院であったが長下肢装具を作成し集中リハビリテーションを実施することで, サイドステッパーで歩行可能となり, 自宅へ退院した. 左半側空間無視が残存したため要監視とした....
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| Published in | リハビリテーション医学 Vol. 43; no. 6; p. 382 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本リハビリテーション医学会
18.06.2006
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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| ISSN | 0034-351X |
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| Summary: | 25歳, 男性. 18歳時, 左中大脳動脈閉塞にて脳梗塞, 右片麻痺生じるが軽度のBroca失語を残し軽快した. 2005年2月, 右中大脳動脈領域の広範な脳梗塞再発により重度左片麻痺, 左半側空間無視と発話, 発声, 咀嚼, 嚥下障害を認めた. 顔面は無表情で弛緩し口部顔面の随意運動は全く不能だが, 欠伸や泣き笑いなどの自動運動は可能でautomatic-voluntary dissociationを認めた. 発症6ヵ月後の入院であったが長下肢装具を作成し集中リハビリテーションを実施することで, サイドステッパーで歩行可能となり, 自宅へ退院した. 左半側空間無視が残存したため要監視とした. 嚥下造影検査(VF)で口腔期の障害を認めペースト食での摂食訓練を開始したが, 経管栄養の併用が必要であった. 口部顔面の随意運動は回復せず, 意思疎通はジェスチャーや指差し, 書字を利用した. 本症例は両側弁蓋部損傷によるFoix-Chavany-Marie症候群と考えられた. |
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| ISSN: | 0034-351X |