9.地域連携を利用して在宅支援を行ったALSの1例

【はじめに】ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者, とくに人工呼吸器装着患者の在宅療養生活への移行は容易ではなく様々な支援を必要とする. 今回地域連携を利用して円滑な在宅支援へとつなげることができたALSの1症例を報告する. 【症例】51歳, 男性. 1990年頃より易転倒性を自覚し, その後AISと診断. 外来, 入院にて加療するも症状は徐々に進行. 2006年3月12日急性呼吸不全となり再入院. 呼吸障害に対しては気管切開し人工呼吸器管理, 嚥下障害に対しては喉頭全摘出術を施行した. その結果, 食事は最終的には車いす座位にて経口摂取が一部可能となった. 退院にあたっては, カンファレンス等...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 43; no. 10; p. 697
Main Authors 羽生菜奈絵, 浅見豊子, 江里口 誠, 竹下淳子, 竹井健夫, 黒田康夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.10.2006
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:【はじめに】ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者, とくに人工呼吸器装着患者の在宅療養生活への移行は容易ではなく様々な支援を必要とする. 今回地域連携を利用して円滑な在宅支援へとつなげることができたALSの1症例を報告する. 【症例】51歳, 男性. 1990年頃より易転倒性を自覚し, その後AISと診断. 外来, 入院にて加療するも症状は徐々に進行. 2006年3月12日急性呼吸不全となり再入院. 呼吸障害に対しては気管切開し人工呼吸器管理, 嚥下障害に対しては喉頭全摘出術を施行した. その結果, 食事は最終的には車いす座位にて経口摂取が一部可能となった. 退院にあたっては, カンファレンス等にて地域の医療スタッフやME機器業者などとも連携を図った. 現在, 頚部, 体幹の不安定性に対し身体障害者福祉法で座位保持装置を申請し作製中である. またコミュニケーションエイドとしては, 日常生活用具で申請し取得した意志伝達装置を使用開始している. 【まとめ】ALS患者の在宅療養を容易とするためには, 地域連携による支援体制の充実化を図ることが重要であると考える.
ISSN:0034-351X