療養病床での個室・ユニットケア―生活のここちよさが生きるここちよさになる

「1. はじめに」ケアリングとは, 「看護の対象である人間を尊び慈しみ, 生活上の援助を行いながら, 苦痛や苦悩, 不安を癒し, 対象が自己成長できるような関わりをもつことであり, また, その過程において, 看護者自らも相互作用により成長する」という看護のあり方である. 長期療養病床のユニットケアの実践の中から学び得たケアリング文化の形成について報告する. 「2. ユニットケア導入までのプロセス」1998年当院はより高いケアの質の提供を目指し, 認知症高齢者の安全を守るためには仕方ないと思われていた身体拘束廃止に取り組んだ. できることとできないことを見極め, 「起きる・食べる・排泄する・清...

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Published in日本看護科学会誌 Vol. 29; no. 2; p. 59
Main Author 福本京子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本看護科学学会 29.06.2009
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ISSN0287-5330

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Summary:「1. はじめに」ケアリングとは, 「看護の対象である人間を尊び慈しみ, 生活上の援助を行いながら, 苦痛や苦悩, 不安を癒し, 対象が自己成長できるような関わりをもつことであり, また, その過程において, 看護者自らも相互作用により成長する」という看護のあり方である. 長期療養病床のユニットケアの実践の中から学び得たケアリング文化の形成について報告する. 「2. ユニットケア導入までのプロセス」1998年当院はより高いケアの質の提供を目指し, 認知症高齢者の安全を守るためには仕方ないと思われていた身体拘束廃止に取り組んだ. できることとできないことを見極め, 「起きる・食べる・排泄する・清潔・アクティビティ」といった5つの基本的ケアの徹底を図り, 問題の原因を探り, 提供するケアを工夫することで抑制廃止が実現していく.
ISSN:0287-5330