5.有効な喫煙室の設計手順とリアルタイムモニタリングによる評価

1時間あたり50本の喫煙がおこなわれるある喫煙室では, 排気風量の不足が原因で環境タバコ煙の漏れがあり, また, 喫煙室内部の平均粉じん濃度も評価基準を上回る0.28mg/m3であった. 職場における喫煙対策のためのガイドライン(厚労省, 平成15年5月)に沿って計画的に改善した. 1)出入口(1.7m2)から煙が漏れない目安となる0.2m/sの空気の流れを発生させるために必要な排気風量Q1は1,230(m3/h), 2)1時間あたりに50本の喫煙がおこなわれる場合でも, 喫煙室内部の粉じん濃度を0.15mg/m3以下となる排気風量Q2は3,300m3/hと予測された. 大きい方のQ2を設置し...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 46; no. 6; pp. 234 - 235
Main Authors 大和浩, 大神明, 永渕祥大, 大藪貴子, 黒田香織, 田中勇武
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.11.2004
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:1時間あたり50本の喫煙がおこなわれるある喫煙室では, 排気風量の不足が原因で環境タバコ煙の漏れがあり, また, 喫煙室内部の平均粉じん濃度も評価基準を上回る0.28mg/m3であった. 職場における喫煙対策のためのガイドライン(厚労省, 平成15年5月)に沿って計画的に改善した. 1)出入口(1.7m2)から煙が漏れない目安となる0.2m/sの空気の流れを発生させるために必要な排気風量Q1は1,230(m3/h), 2)1時間あたりに50本の喫煙がおこなわれる場合でも, 喫煙室内部の粉じん濃度を0.15mg/m3以下となる排気風量Q2は3,300m3/hと予測された. 大きい方のQ2を設置したことにより, 出入口で0.4m/sの一定の空気の流れが得られて煙の漏れが防止され, かつ, 喫煙室内の平均粉じん濃度も0.14mg/m3となった. リアルタイムモニタリングは漏れの有無が視覚的に判断でき, 喫煙室内の平均粉じん濃度の算出も可能なことから, 喫煙対策の評価において有用であった.
ISSN:1341-0725