10.精神障害者に対する偏見の調査-産業医・看護師・一般労働者との比較検討
今回, 看護師, 一般労働者, 産業医を対象として, 精神障害者に対する態度と意識調査を行った. 対象は精神病院看護師25名, 総合病院看護師36名, 嘱託産業医20名, 一般労働者99名である. 調査表は町沢らの報告にもとづき, 精神障害の偏見尺度として第一因子「社会的距離」, 第二因子「社会的能力への疑問, 精神科医のみの責任性」, 第三因子「恋愛, 結婚へのタブー」, 第四因子「不信感, 人権疎外」である. 各々の因子の質問項目は点数制になっており, 偏見が強いほど点数も高くなるように構成されている. (1)第一因子:精神病院看護師と比較して, 総合病院看護師と一般労働者は有意に高い値を...
Saved in:
| Published in | 産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 2; p. 61 |
|---|---|
| Main Authors | , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本産業衛生学会
20.03.2006
公益社団法人日本産業衛生学会 Japan Society for Occupational Health |
| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1341-0725 |
Cover
| Summary: | 今回, 看護師, 一般労働者, 産業医を対象として, 精神障害者に対する態度と意識調査を行った. 対象は精神病院看護師25名, 総合病院看護師36名, 嘱託産業医20名, 一般労働者99名である. 調査表は町沢らの報告にもとづき, 精神障害の偏見尺度として第一因子「社会的距離」, 第二因子「社会的能力への疑問, 精神科医のみの責任性」, 第三因子「恋愛, 結婚へのタブー」, 第四因子「不信感, 人権疎外」である. 各々の因子の質問項目は点数制になっており, 偏見が強いほど点数も高くなるように構成されている. (1)第一因子:精神病院看護師と比較して, 総合病院看護師と一般労働者は有意に高い値を示した. 精神病院看護師と産業医の間に差はなかった. (2)第二因子:精神病院看護師と比較すると, 総合病院看護師と一般労働者は有意に高く, 逆に, 産業医は有意に低かった. 一般労働者と比較して産業医は有意に低かった. (3)第三因子:精神病院看護師と比較して, 総合病院看護師, 一般労働者, 産業医ともに有意に高かった. (4)第四因子:精神病院看護師と比較すると一般労働者は有意に高かった. 精神病院看護師, 総合病院看護師, 一般労働者, 産業医を対象として, 精神障害者への偏見の調査を行った. 産業医は第三因子「恋愛, 結婚へのタブー」の項目に関して偏見が強かった. |
|---|---|
| ISSN: | 1341-0725 |