8.研修医の過重労働とメンタルヘルス

研修医1年目45名(男性24名, 女性21名)に独自に作成した質問紙と職業性簡易ストレス調査票を用いて採用後約3ヶ月目にアンケート調査を行い, 1日の平均労働時間と仕事のストレッサーおよびストレス反応の程度との関係を検討した. 1日の平均労働時間は, 研修医の約77%が12時間以上であった. 研修医全体の仕事のストレッサーのうち, 仕事の量や質的負担などは, ストレッサーが高かった. 研修医のうち, 1日の労働時間が12時間以上の例では, 未満の例に比べて自覚的身体負担をより強く感じていた. 心身のストレス反応得点それぞれについては, 両群間で差は見られなかった. 12時間以上例の心身のストレ...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 48; no. 5; pp. 195 - 196
Main Authors 豊増功次, 吉田典子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.09.2006
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:研修医1年目45名(男性24名, 女性21名)に独自に作成した質問紙と職業性簡易ストレス調査票を用いて採用後約3ヶ月目にアンケート調査を行い, 1日の平均労働時間と仕事のストレッサーおよびストレス反応の程度との関係を検討した. 1日の平均労働時間は, 研修医の約77%が12時間以上であった. 研修医全体の仕事のストレッサーのうち, 仕事の量や質的負担などは, ストレッサーが高かった. 研修医のうち, 1日の労働時間が12時間以上の例では, 未満の例に比べて自覚的身体負担をより強く感じていた. 心身のストレス反応得点それぞれについては, 両群間で差は見られなかった. 12時間以上例の心身のストレスを強く感じている例では, 3ヶ月間のヒヤリ ハット体験が多く, 仕事の量的負担, 同僚の支援の程度のストレッサーが高い傾向が見られた. 更にはこれらの例では仕事中や余暇中の眠気を強く感じていた.
ISSN:1341-0725