22.精神運動発達遅滞児の療育効果
目的:近年保健所検診の充実により, 脳性麻痺児のみでなく, 精神運動発達遅滞児が比較的早期に発見できるようになり, 早期療育を実践してきた. それらの発達経過と療育結果について報告する. 対象並びに方法:対象児は昭和55年11月から59年3月までの期間に療育した50名で, 6ヵ月未満で療育開始したAグループは15名, 6か月以後から療育開始したBグループは35名であった. 療育方法は行動学的アプローチを重視し, 理学療法に加え, 前庭機能および行動力強化を目標としたスポーツ療法を行い, さらに生活指導に力を注ぐとともに保育園での統合保育を勧めた. 結果:療育過程で常同性, 多動性, 執着性,...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 21; no. 5; p. 327 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.09.1984
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 目的:近年保健所検診の充実により, 脳性麻痺児のみでなく, 精神運動発達遅滞児が比較的早期に発見できるようになり, 早期療育を実践してきた. それらの発達経過と療育結果について報告する. 対象並びに方法:対象児は昭和55年11月から59年3月までの期間に療育した50名で, 6ヵ月未満で療育開始したAグループは15名, 6か月以後から療育開始したBグループは35名であった. 療育方法は行動学的アプローチを重視し, 理学療法に加え, 前庭機能および行動力強化を目標としたスポーツ療法を行い, さらに生活指導に力を注ぐとともに保育園での統合保育を勧めた. 結果:療育過程で常同性, 多動性, 執着性, 攻撃性, 自傷行為, 自閉傾向などの異常行動がみられた. 異常行動として最も頻度が高かった多動は集中性の発達不全と関連があり, 四つ這いの時期から出現しはじめ, 歩行の獲得でピークに達し, その後, 行動発達とともに多少とも改善された. 異常行動としてとりあげた他の諸行動も, 行動発達の進展にともない消長する傾向があった. 行動発達年齢は, Aグループで療育開始時平均1.2ヵ月(平均歴年齢3ヵ月), 18ヵ月後平均11ヵ月(平均歴年齢1歳9ヵ月)であった. Bグループでは療育開始時平均1歳1ヵ月(平均歴年齢3歳1ヵ月), 28ヵ月後平均1歳11ヵ月(平均歴年齢5歳4ヵ月)であった. Bグループ19例の検討で, 自己, 社会性の発達率に療育前後で有意差を認めた. 質問 昭和大 水間正澄:外反扁平足に対して特にスポーツ療法を工夫なさっておられるでしょうか. 質問 北九州総合療育センター 高松鶴吉:(1)乳幼児の早期療育の具体的指導法, (2)幼児期の療育は, 普通の精薄通園と比べての長所など, を御教示下さい. 答 穐山富太郎:(1)療育内容は, 生活リズムの確立, 脳幹機能強化(理学療法, スポーツ療法), 統合保育からなります, (2)外反足位に対しては自然経過をみますが, 高度なものではshoesによる矯正を行います. |
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ISSN: | 0034-351X |