1. 習慣性咀嚼が顔貌対称性および側方限界運動に及ぼす影響

正常有歯顎者において, 習慣性咀嚼が顔貌対称性および側方限界運動に及ぼす影響について検討を行った. ロールワッテを用いて習慣性咀嚼側を測定し, 各被験者の正貌をデジタルカメラで撮影後, 顔貌の偏位側を決定し, 習慣性咀嚼側と顔貌の偏位側との一致性について検討した. また, 各被験者のゴシックアーチを記録し, 側方限界運動の関係について検討した. 顔貌対称性の評価に用いたすべての計測線は, 習慣性咀嚼側の顎関節部へ収束するよう傾斜する傾向がみられた. また, 習慣性咀嚼側と顔貌の偏位側との間には, 中等度の一致性が認められた. さらに, 習慣性咀嚼側への側方限界運動距離は反対側に比べ有意に長かっ...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 6; p. 258
Main Author 河野稔広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.02.2009
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:正常有歯顎者において, 習慣性咀嚼が顔貌対称性および側方限界運動に及ぼす影響について検討を行った. ロールワッテを用いて習慣性咀嚼側を測定し, 各被験者の正貌をデジタルカメラで撮影後, 顔貌の偏位側を決定し, 習慣性咀嚼側と顔貌の偏位側との一致性について検討した. また, 各被験者のゴシックアーチを記録し, 側方限界運動の関係について検討した. 顔貌対称性の評価に用いたすべての計測線は, 習慣性咀嚼側の顎関節部へ収束するよう傾斜する傾向がみられた. また, 習慣性咀嚼側と顔貌の偏位側との間には, 中等度の一致性が認められた. さらに, 習慣性咀嚼側への側方限界運動距離は反対側に比べ有意に長かった. したがって, 習慣性咀嚼は顔貌対称性および側方限界運動に影響を及ぼすことが示唆された.
ISSN:0368-6833