27.重心移動の長さによる姿勢評価
脳卒中後片麻痺を主とする中枢神経疾患患者の立位バランスを評価する目的で, 重心移動の状態をその移動距離の和より求める方法の臨床応用を試みた. 方法:平衡機能計より得られるX軸方向とY軸方向のデータを同時にA/D変換してフロッピーディスクに蓄えた. データのサンプリング時間は30秒とし, サンプリング周期は20msecとした. 得られたデータを処理して動揺曲線の長さの総計, XおよびY成分の移動距離を求め, さらにサンプリング周期毎の移動距離の頻度を求めた. 結果:健常者17名とCVA患者22名について計測を行った. 健常者では(1)60度開脚開眼<(2)同閉眼<(3)閉脚閉眼<...
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| Published in | リハビリテーション医学 Vol. 21; no. 6; pp. 418 - 419 |
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| Main Authors | , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本リハビリテーション医学会
18.01.1984
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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| ISSN | 0034-351X |
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| Summary: | 脳卒中後片麻痺を主とする中枢神経疾患患者の立位バランスを評価する目的で, 重心移動の状態をその移動距離の和より求める方法の臨床応用を試みた. 方法:平衡機能計より得られるX軸方向とY軸方向のデータを同時にA/D変換してフロッピーディスクに蓄えた. データのサンプリング時間は30秒とし, サンプリング周期は20msecとした. 得られたデータを処理して動揺曲線の長さの総計, XおよびY成分の移動距離を求め, さらにサンプリング周期毎の移動距離の頻度を求めた. 結果:健常者17名とCVA患者22名について計測を行った. 健常者では(1)60度開脚開眼<(2)同閉眼<(3)閉脚閉眼<(4)片足立ち(開眼と閉眼)の順に移動距離は大きくなる. 患者群では片足立ちが困難な為, はじめの3項目を行うにとどまった. そのいずれでも患者群は健常者群より移動距離は大きく, 閉眼効果をみても患者群でより大きかった. 少数ながらSLB着用によるバランスの安定化も認められ, 新鮮なCVA例で経過と共に移動距離の減少するのが認められた. 今後の問題:本法を臨床的に応用するのは可能であるが, 立体バランスの不安定な患者ほど測定が困難であり, これをいかにして安全かつ正確に計測するかが今後の課題である. (計測システムの開発は福島医大第二生理の片平講師と堀尾助手の助力によった.)質問, 発言 月村泰治(座長):(1)質問;計測時間は十分か否か? 我々も両足20秒, 片足立ち10秒で計測している(患者の直立能力と日常検査簡便のため)ので. (2)発言;重心移動の長さの評価は単なる姿勢評価にとどまらず, 機能評価としても有用なものと思われます. |
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| ISSN: | 0034-351X |