6. ビスフォスフォネート製剤投与中に左下顎骨骨髄炎を認めた乳癌骨転移の1例
症例は59歳, 女性. 平成12年1月にT2N1M0病期IIBの右乳癌に対し, 胸筋温存乳房切除術を施行された(ER+PgR+HER2/neu1+). 平成16年2月に肝転移, 肺転移を指摘されるも, 治療を拒否. 平成17年12月肺転移による呼吸困難から来院, FECを5クール施行された. 平成18年3月に右坐骨に転移を認め, アレンドロン酸ナトリウム水和物を6回投与後, 同年9月よりゾレドロン酸水和物に切り替え, 通院治療中であった. 平成19年3月歯痛を主訴に受診した近医歯科で, 左下顎臼歯部の痩孔形成を指摘された. 保存的治療で改善みられず, 近医歯科口腔外科にて加療することとなった....
Saved in:
Published in | 山口医学 Vol. 57; no. 1; pp. 24 - 25 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
山口大学医学会
29.02.2008
Yamaguchi University Medical Association |
Online Access | Get full text |
ISSN | 0513-1731 |
Cover
Summary: | 症例は59歳, 女性. 平成12年1月にT2N1M0病期IIBの右乳癌に対し, 胸筋温存乳房切除術を施行された(ER+PgR+HER2/neu1+). 平成16年2月に肝転移, 肺転移を指摘されるも, 治療を拒否. 平成17年12月肺転移による呼吸困難から来院, FECを5クール施行された. 平成18年3月に右坐骨に転移を認め, アレンドロン酸ナトリウム水和物を6回投与後, 同年9月よりゾレドロン酸水和物に切り替え, 通院治療中であった. 平成19年3月歯痛を主訴に受診した近医歯科で, 左下顎臼歯部の痩孔形成を指摘された. 保存的治療で改善みられず, 近医歯科口腔外科にて加療することとなった. 精査後同年5月下顎骨骨髄炎の診断にて, 腐骨除去が行われた. 病理では骨髄炎の所見を認め, ビスフォスフォネート製剤投与による顎骨骨髄炎を疑った. 顎骨壊死, 顎骨骨髄炎は, ビスフォスフォネートの長期投与中にみられる比較的新しい有害事象であり, 若干の文献的考察を加えて報告する. |
---|---|
ISSN: | 0513-1731 |