公開シンポジウム「心のひずみを考える」-10代の少年たちによる問題行動の背後にあるものに参加して

3年前の神戸の少年事件が起こった折に, 第13回日本精神衛生学会大会において特別シンポジウムが企画され, 青少年の心理と病理と精神衛生という切り口から話し合いが持たれたが, 何かしら先の見えない暗い気持ちになって帰路についた記憶がある. 昨年になって相次いで17歳の少年による事件が発生し, 特に佐賀県のバスジャック事件の一連の経過を検証し, 問題点の整理をするための緊急フォーラムが昨年7月8日に東京YMCAホテルにおいて本学会主催で開催されている. パネリストは立教大学教授の町沢静夫氏, 弁護士の一場順子氏, 国立精神神経センター精神保健研究所所長の吉川武彦氏, 司会は日本精神衛生学会理事長で...

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Published inこころの健康 Vol. 16; no. 1; pp. 58 - 59
Main Authors 村田忠良, 善養寺圭子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本精神衛生学会 30.06.2001
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ISSN0912-6945

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Summary:3年前の神戸の少年事件が起こった折に, 第13回日本精神衛生学会大会において特別シンポジウムが企画され, 青少年の心理と病理と精神衛生という切り口から話し合いが持たれたが, 何かしら先の見えない暗い気持ちになって帰路についた記憶がある. 昨年になって相次いで17歳の少年による事件が発生し, 特に佐賀県のバスジャック事件の一連の経過を検証し, 問題点の整理をするための緊急フォーラムが昨年7月8日に東京YMCAホテルにおいて本学会主催で開催されている. パネリストは立教大学教授の町沢静夫氏, 弁護士の一場順子氏, 国立精神神経センター精神保健研究所所長の吉川武彦氏, 司会は日本精神衛生学会理事長である早稲田大学の高塚雄介氏で, 残念ながら参加は出来なかったが, それぞれの立場からのシビアな発言が記録されている. 第16回日本精神衛生学会大会に先立って, 11月10日に岐阜市の「ホテルグランヴェール岐山」において, 17歳の少年たちが引き起こす事件の裏側にある"ひずみ"をもたらす遠因となったであろう"何か"について, 個々の病理の解明ということよりも, そうした子どもたちが行動化しやすくなってきている背景として, 家庭学校地域などの状況を考えながら, 今後の予防的な対応の在り方を探り, 事件に巻き込まれた人たちのサポートについても考える, という目的で公開シンポジウムが開催された.
ISSN:0912-6945