9.乳房温存療法における乳房内最大吸収線量の検討

【目的】当院での乳房温存療法における乳房内最大吸収線量を求め, 臨床経過に影響を及ぼしうるかを検討する. 【対象, 方法】対象は2002年1月以後当院で乳房温存療法を行った20例である. 治療計画時には全乳房を5mm間隔でCT撮影し, アイソセンター面での肋骨前縁をreference pointとして50Gy/25frを設定した. 3次元的に構成された線量分布図およびDVH上で全乳腺が90%領域に含まれかつ乳腺内の分布がなるべく均一になるようwedge(15または30度)を選択し, その際の吸収線量をコンピューター上で計算した. 【結果】乳房内最大吸収線量はnominal doseに対し105...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 54; no. 2; p. 167
Main Authors 塩島和美, 野田真永, 高橋育, 宮田治郎, 高木信樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2004
Kitakanto Medical Society
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ISSN1343-2826

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Summary:【目的】当院での乳房温存療法における乳房内最大吸収線量を求め, 臨床経過に影響を及ぼしうるかを検討する. 【対象, 方法】対象は2002年1月以後当院で乳房温存療法を行った20例である. 治療計画時には全乳房を5mm間隔でCT撮影し, アイソセンター面での肋骨前縁をreference pointとして50Gy/25frを設定した. 3次元的に構成された線量分布図およびDVH上で全乳腺が90%領域に含まれかつ乳腺内の分布がなるべく均一になるようwedge(15または30度)を選択し, その際の吸収線量をコンピューター上で計算した. 【結果】乳房内最大吸収線量はnominal doseに対し105~135%であった. 110%を超えるhot spotは乳房の下縁付近にあることが多く乳房全体の容積の2%以下であった. ちなみに乳腺の吸収線量の最大値は105~112%, 平均値99~104%であった. 【考察】コンピューター上で計算した値からは乳房照射時のhot spotの存在が臨床経過に影響する可能性は低いと考えられた.
ISSN:1343-2826