28.脳血管障害患者の立位バランス

脳血管障害患者34名について立位時のバランスを評価するべく重心動揺を測定し, 測定値に影響を及ぼす因子の検討を試みた. 本測定法については一昨年の当学会で発表したので省略するが, 重心動揺を重心点の移動した総距離として捉える方法に属する. 対象患者は18歳より78歳の年齢層にわたり, AVM rupture3名を含むが, 脳幹部の障害された1ものは除いた. 結果は次のごとくであった. 1)年齢に関しては健常人と異なり, 重心動揺との間に有意の関係を認めなかった. 2)麻痺の左右別でも差を認めなかった. 3)下肢Br. stageとの関係では, stageIII(4名), IV(13名)と, V...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 23; no. 6; pp. 320 - 321
Main Authors 阪場貞夫, 渡辺宣佳, 星野昌伯, 大槻剛智, 阪本次夫, 塚原進
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.11.1986
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:脳血管障害患者34名について立位時のバランスを評価するべく重心動揺を測定し, 測定値に影響を及ぼす因子の検討を試みた. 本測定法については一昨年の当学会で発表したので省略するが, 重心動揺を重心点の移動した総距離として捉える方法に属する. 対象患者は18歳より78歳の年齢層にわたり, AVM rupture3名を含むが, 脳幹部の障害された1ものは除いた. 結果は次のごとくであった. 1)年齢に関しては健常人と異なり, 重心動揺との間に有意の関係を認めなかった. 2)麻痺の左右別でも差を認めなかった. 3)下肢Br. stageとの関係では, stageIII(4名), IV(13名)と, V, VI(17名)の2群に分けて比較しても有意の差はなかった. 4)歩行能力との関係は10m歩行速度を指標として15秒以内の群(19名), 15秒~30秒の群(7名), 30秒以上の群(8名)の間に有意差を認めなかった. 5)知覚障害について(触覚と位置覚)intact群(11名), 軽度の群(8名), 中等度以上の群(15名)で比べたところ, 中等度以上の知覚鈍麻を示す群で有意に重心動揺値の大きいことが分かった. 6)病巣部位との関連についても検討したが, 症例数が不十分なため, 次回を期したい. 質問 弘前大脳研福田道隆:尖足が強い症例についての計測注意点は?
ISSN:0034-351X