28. Frenchay Activity Index(FAI)を用いた退院後脳卒中患者社会的活動性の評価-社会的活動性に影響する因子の検討
【目的】脳卒中のリハビリテーションを施行する上で, 患者の全体像を捉えることは重要であり, このような観点からADLのみでなく, 様々な要素について評価・検討することが必要である. 今回我々は, 社会的活動性の評価にFAIを用いて, 在宅脳卒中患者に対してアンケート調査を行い, 影響する因子について検討した. 【対象と方法】昭和57年10月から昭和63年9月までの間に, 演者らが担当し神奈川リハセンターを退院した脳卒中患者296名にアンケートを郵送し, 有効回答を得た166名(53%)を対象として調査した. 調査項目は, 現在の歩行能力, 会話能力, Barthel Index, FAI, G...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 26; no. 5; pp. 342 - 343 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.09.1989
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 【目的】脳卒中のリハビリテーションを施行する上で, 患者の全体像を捉えることは重要であり, このような観点からADLのみでなく, 様々な要素について評価・検討することが必要である. 今回我々は, 社会的活動性の評価にFAIを用いて, 在宅脳卒中患者に対してアンケート調査を行い, 影響する因子について検討した. 【対象と方法】昭和57年10月から昭和63年9月までの間に, 演者らが担当し神奈川リハセンターを退院した脳卒中患者296名にアンケートを郵送し, 有効回答を得た166名(53%)を対象として調査した. 調査項目は, 現在の歩行能力, 会話能力, Barthel Index, FAI, GHQ(心理社会的不適応状況の指標), 現在の生活に関する満足度である. また, McMaster Family Assessment Deviceを参考に, 患者-家族関係を調査するために独自の評価表を作成し, 併せて使用した. 年齢・性別等の基本的データは入院中のカルテより抽出した. 【結果および考察】得られた回答に統計的検討を加えた. FAIの項目別では得点の性差が認められるが, 総得点での性差はなかった. また, 因子分析により, 家事関係因子・趣味関係因子・仕事関係因子の3因子が得られ, 各々に影響を与える項目は, 移動能力を除いてはかなりの男女差が認められた. FAIには, 在宅脳卒中患者の社会的活動性を検討するのに必要と考えられる基本的因子を含んでおり, 今後の評価方法の検討に当たっても有用と考えられる. 質問 東北大医療短大 細川徹:GHQなど多数の項目を調査しているが, それに回答するには患者にある程度の能力を要求することになり, それによってサンプル集団が限定されることにならないか. 答 前野豊:(1)質問項目が多く, サンプルにバラツキが出る可能性は否定できないと思います. (2)GHQ以外に関しては, 家族に回答を依頼する形式をとりました. |
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ISSN: | 0034-351X |