NO.1 NIH3T3細胞での,スフィンゴシルホスホリルコリン(SPC)依存性のストレスファイバー(SF)形成とフィロポディア類似の細胞突起形成におけるFynの役割

我々は, NIH3T3細胞において, SPCはSrcファミリーチロシンキナーゼ(Src-TK)及びRhoキナーゼ(ROK)依存性経路によってSFを形成し, 更にSrc-TK及びROK非依存性の経路でフィロポディア類似の細胞突起の形成を促進する事を発見した. 本研究では, SPC依存性のSF形成とフィロポディア類似の細胞突起形成において, Src-TKの一種であるFynの役割を検討した. siRNAによりFynをノックダウンしたNIH3T3細胞では, SPCによるSF形成が抑制されたが, フィロポディア類似の細胞突起の形成は抑制されなかった. RNA干渉作用の無いコントロールsiRNA或いはMA...

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Published in山口医学 Vol. 54; no. 6; pp. 187 - 188
Main Authors 徐丹, 岸博子, 川道穂津美, 加治屋勝子, 小林誠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 31.12.2005
Yamaguchi University Medical Association
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ISSN0513-1731

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Summary:我々は, NIH3T3細胞において, SPCはSrcファミリーチロシンキナーゼ(Src-TK)及びRhoキナーゼ(ROK)依存性経路によってSFを形成し, 更にSrc-TK及びROK非依存性の経路でフィロポディア類似の細胞突起の形成を促進する事を発見した. 本研究では, SPC依存性のSF形成とフィロポディア類似の細胞突起形成において, Src-TKの一種であるFynの役割を検討した. siRNAによりFynをノックダウンしたNIH3T3細胞では, SPCによるSF形成が抑制されたが, フィロポディア類似の細胞突起の形成は抑制されなかった. RNA干渉作用の無いコントロールsiRNA或いはMAPKに対するsiRNAは, SPCによるSF形成と糸状仮足類似の細胞突起形成に影響しなかった. 以上より, FynはSPC依存性のSF形成において重要な役割を果たすが, フィロポディア類似の細胞突起形成に影響しないと考えられた.
ISSN:0513-1731