歯科用コーンビームCT:3DXを有効活用するための臨床上の留意点

歯科用コーンビームCT(以下CBCT)は, すでに国内で1,000台近くが稼動し, 最近ではパノラマ撮影装置にCBCTの機能を追加した複合機が開発されたことから, 今後も急速に普及していくことが予想されています. その開発は当初, "歯科でもっとも多用されているデンタルフィルムを3次元で観察できるようにすること"が目標とされました. これを実現するために画素のサイズが0.125mmにされました. これによって, 歯根膜空隙の微妙な変化を3次元的に観察できるようにしました. 初期は直径4cm高さ3cmの円柱形の撮像範囲でありました. その後, センサー技術の向上で撮像範囲が6...

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Published inDental Medicine Research Vol. 29; no. 2; p. 195
Main Author 新井嘉則
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 昭和大学・昭和歯学会 31.07.2009
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ISSN1882-0719

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Summary:歯科用コーンビームCT(以下CBCT)は, すでに国内で1,000台近くが稼動し, 最近ではパノラマ撮影装置にCBCTの機能を追加した複合機が開発されたことから, 今後も急速に普及していくことが予想されています. その開発は当初, "歯科でもっとも多用されているデンタルフィルムを3次元で観察できるようにすること"が目標とされました. これを実現するために画素のサイズが0.125mmにされました. これによって, 歯根膜空隙の微妙な変化を3次元的に観察できるようにしました. 初期は直径4cm高さ3cmの円柱形の撮像範囲でありました. その後, センサー技術の向上で撮像範囲が6cmから8cmへと拡大していきました. このCBCTはあらゆる方向からの断層画像を提供し, 診断に有用であります. たとえば, 上顎大臼歯の根分岐部は従来の撮影方法では根自身が重積してしまうために, 白線や歯根膜空隙などの微細な構造の変化を捉えることが困難でありました. CBCTによって, 同部位に断層面を設定することで診断が可能となりました.
ISSN:1882-0719