P04. 縁上歯石での形態と組成における加齢変化
【目的】加齢に伴う歯石の構造及び組成変化についての研究は少ない. 青年期の20歳代と成人期の40歳代以降の縁上歯石を用いて, その縁上歯石の加齢に伴う構造及び組成変化について比較検討を行った. 【材料と方法】歯石は縁上歯石の青年期12例, 及び成人期15例を用いた. 歯石の表面や内部構造は実体顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて観察し, 分析電子顕微鏡にて歯石内の化学組成の分析を行った. 【結果】青年期では顆粒状の結晶が多くみられた. 成人期では層状構造をしており, 顆粒状, 線維状あるいはフレーク状などの結晶が観察された. SED-EDS分析の結果, 歯石を構成している元素には青年や成人とも,...
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| Published in | 日本再生歯科医学会誌 Vol. 5; no. 1; p. 55 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
日本再生歯科医学会
30.12.2007
Japanese Association of Regenerative Dentistry |
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| ISSN | 1348-9615 |
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| Summary: | 【目的】加齢に伴う歯石の構造及び組成変化についての研究は少ない. 青年期の20歳代と成人期の40歳代以降の縁上歯石を用いて, その縁上歯石の加齢に伴う構造及び組成変化について比較検討を行った. 【材料と方法】歯石は縁上歯石の青年期12例, 及び成人期15例を用いた. 歯石の表面や内部構造は実体顕微鏡や走査型電子顕微鏡を用いて観察し, 分析電子顕微鏡にて歯石内の化学組成の分析を行った. 【結果】青年期では顆粒状の結晶が多くみられた. 成人期では層状構造をしており, 顆粒状, 線維状あるいはフレーク状などの結晶が観察された. SED-EDS分析の結果, 歯石を構成している元素には青年や成人とも, 主要な元素はCaとPであった. 微量元素ではNaとMgが検出された. 【考察】Ca/P比は, 青年期では平均値1.19であり, このCa/P比はbrushiteに近く, 成人期のCa/P比の平均値は1.46で, これはwhitlockiteに近い数値であった. 従って, 年齢により結晶に差異が生じる可能性が示唆された. NaとMgの含有量にも年齢差が生じることが示唆された. しかし, 年齢差よりも個々の口腔内の微小環境の差により, 歯石の構造や組成が変化することが推定された. 今後さらに詳細に検討していきたい. |
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| ISSN: | 1348-9615 |