6.心筋梗塞患者の入院中および退院後早期の日常労作について-Holter DCGによる検討
心筋梗塞患者の入院中, 退院時, 退院後早期(退院後約2ヵ月)の日常労作について, Holter DCGと運動負荷試験により検討した. 対象はリハビリを施行した29例で平均55.1歳. 【結果】運動負荷試験での負荷時間, 最大心拍数, METSは経過と共に有意に増加し, リハビリの効果が認められた. HolterでLown grade3以上は退院時62%, 退院後50%であった. 24時間中の最大心拍数(以下Max HR)を呈した労作は, 入院中と退院時では排泄, 洗面, 食事等運動以外の要因を含む労作が約半数を占めたが, 退院後ではリハ歩行や階段昇降時が79%と多かった. 各労作の際のMax...
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Published in | リハビリテーション医学 Vol. 24; no. 5; pp. 305 - 306 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本リハビリテーション医学会
18.09.1987
社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine |
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ISSN | 0034-351X |
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Summary: | 心筋梗塞患者の入院中, 退院時, 退院後早期(退院後約2ヵ月)の日常労作について, Holter DCGと運動負荷試験により検討した. 対象はリハビリを施行した29例で平均55.1歳. 【結果】運動負荷試験での負荷時間, 最大心拍数, METSは経過と共に有意に増加し, リハビリの効果が認められた. HolterでLown grade3以上は退院時62%, 退院後50%であった. 24時間中の最大心拍数(以下Max HR)を呈した労作は, 入院中と退院時では排泄, 洗面, 食事等運動以外の要因を含む労作が約半数を占めたが, 退院後ではリハ歩行や階段昇降時が79%と多かった. 各労作の際のMax HRは洗面, 排泄, 食事等は入院中, 退院時, 退院後共に90/分前後で変化はなかったが, 歩行や階段昇降では入院中89, 退院時95, 退院後110と有意に増加しており, 経過とともに日常活動の運動強度が高まったと推察された. 一方, 入院中と退院時では3例, 退院後は6例でHolterで高度ST変化があり, これらの症例では3枝狭窄や心室瘤を有する例が多かった. 退院後の運動負荷試験でのMax HRと, 歩行や階段昇降時のMax HRにはr=0.73の強い相関があった. 【まとめ】退院時では, 歩行や階段昇降でMax HRを呈する例が多く, その心拍数も入院中, 退院時と比し有意に増加した. 洗面, 排泄, 食事の際のMax HRに変化はなかった. 一部の例ではHolterで高度ST変化があり, 運動耐容量に即した適切な運動指導が必要である. 答 斎藤朗:埼玉医大土肥先生の質問(1)(CCU入院時のKillip分類と退院後早期の運動負荷試験でのMETSの比較)について;今回の対象症例はすべてがKillip CI~IIと軽症の例が多かったために重症度との関連は明らかではなかった. (2)(入院時の不整脈とホルター心電図での重症度との関連は?);急性期には大部分の症例で何らかの不整脈が出現するが, 退院時, 退院後早期のホルターでのLown分類との明らかな関連はない. |
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ISSN: | 0034-351X |