神経損傷の診断と治療
国民の医療に対する知識の向上と医療行為に対する要求の多様化は我々の臨床をより複雑化にしている. 中でも処置に関わるトラブルは可能な限り回避するよう努めるべきであるが, 外科的処置を加える以上これをゼロにすることは難しい. 基本手技に則って処置したにもかかわらず発症したトラブル, とくに日常臨床で最近遭遇する機会が増えているのが神経損傷(下歯槽神経と舌神経)である. これらの神経損傷に対して, 鑑定依頼を受けた訴訟症例も含め多くの症例を供覧いただき, その診断および治療法についてご講演いただいた. 講演は, 神経損傷の病態に遭遇した場合における損傷の程度の判定についてご教授いただいた. 一般的に...
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| Published in | Dental Medicine Research Vol. 29; no. 2; p. 188 |
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| Main Author | |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
昭和大学・昭和歯学会
31.07.2009
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| ISSN | 1882-0719 |
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| Summary: | 国民の医療に対する知識の向上と医療行為に対する要求の多様化は我々の臨床をより複雑化にしている. 中でも処置に関わるトラブルは可能な限り回避するよう努めるべきであるが, 外科的処置を加える以上これをゼロにすることは難しい. 基本手技に則って処置したにもかかわらず発症したトラブル, とくに日常臨床で最近遭遇する機会が増えているのが神経損傷(下歯槽神経と舌神経)である. これらの神経損傷に対して, 鑑定依頼を受けた訴訟症例も含め多くの症例を供覧いただき, その診断および治療法についてご講演いただいた. 講演は, 神経損傷の病態に遭遇した場合における損傷の程度の判定についてご教授いただいた. 一般的に知覚神経の損傷程度は組織学的に次の3型に分類(Seddon)される, (1)一過性局在性伝導障害(neurapraxia), (2)軸索断裂(axonotmesis), (3)神経管断裂(neurotmesis). 各型によって経過と予後も著しく異なるので, これら病態を鑑別し治療法を選択することが最初の処置であると述べられた. |
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| ISSN: | 1882-0719 |