2. 心疾患に対するグループトレーニングの効果
われわれは, 病院内に附設した運動施設を利用して心疾患患者に対し, サーキットトレーニングを施行してきた. 対象は狭心症14, 心筋梗塞7, 更に軽症高血圧, 肥満, 神経循環無力症9の計30例で全例男性である. 平均年齢は56歳. 対照としてトレーニングを行なっていない外来通院中の心筋梗塞患者13名をとった. 方法は, まず最大運動負荷試験から最大心拍数の70~85%の心拍数に相当する運動を指示した. 歩行, 2段階昇降, 自転車運動などをインターバル運動として行ない, 1回運動時間は40~60分間, 週2~5回で平均47日間行なった. トレーニング群では, 最大酸素摂取量が, 22.6ml...
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          | Published in | リハビリテーション医学 Vol. 20; no. 5; p. 324 | 
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| Main Authors | , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本リハビリテーション医学会
    
        18.09.1983
     社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine  | 
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| ISSN | 0034-351X | 
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| Summary: | われわれは, 病院内に附設した運動施設を利用して心疾患患者に対し, サーキットトレーニングを施行してきた. 対象は狭心症14, 心筋梗塞7, 更に軽症高血圧, 肥満, 神経循環無力症9の計30例で全例男性である. 平均年齢は56歳. 対照としてトレーニングを行なっていない外来通院中の心筋梗塞患者13名をとった. 方法は, まず最大運動負荷試験から最大心拍数の70~85%の心拍数に相当する運動を指示した. 歩行, 2段階昇降, 自転車運動などをインターバル運動として行ない, 1回運動時間は40~60分間, 週2~5回で平均47日間行なった. トレーニング群では, 最大酸素摂取量が, 22.6ml/kg.minから26.6ml/kg.minと19.3%の増加を示したのに対して, 非トレーニング群では, 逆に1.5%の減少を示した. またトレーニング群において, 亜最大運動時の心拍数の低下などのトレーニング効果がみられた. 特に狭心症群において最大酸素摂取量の増加や, 亜最大心拍数の低下が著明であった. 以上より, われわれが用いた方法が心疾患患者のトレーニング法として有効であることが確認出来た. 質問 東京大内科 竹内馬左也: トレッドミルにより決められた運動強度と実際のトレーニング, 例えば自転車運動, ジョギング中, 目標心拍数などに達するのに, どういう差があったか. 答 古荘 陽三: トレーニングの方法としては自転車, 2階段, 歩行などに使っているが画一的にやっているわけではない. 症例毎に組みあわせて行なっている. 質問 福岡大学2内科 吉田 豊和: (1)トレーニング前後で血圧の変化は? (2)効率はどうなったか. 答 古荘 陽三: 最大負荷試験は通常いわれているeud poutで行なっているが最大心拍数は増えていない. 亜最大心拍数は明らかに低下している. トレーニング効果の指標としては最大運動時間を使う方がよいと思われる. | 
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| ISSN: | 0034-351X |