7.局所進行・再発乳癌に対する腹直筋皮弁による胸壁再建
疼痛, 皮膚潰瘍及び出血を伴う局所進行あるいは再発乳癌は患者のQOLを著しく低下させる. このような症例に対して胸壁切除, 再建術が必要となることがある. 当科で局所進行, 再発乳癌7例に対し広範に胸壁を切除し, 腹直筋皮弁を用いて同部の再建を行ったのでその成績を報告する. 症例は36才~75才, 平均46才の女性で, 主訴はいずれも胸痛, 胸壁腫瘤, 皮膚潰瘍及び出血等であり, 患者は病変部の自己管理に難渋していた. 再発6例, 初治療1例(病期IV)であった. 手術方法はいずれも腫瘍を含めて胸壁を広範に合併切除し, 腹直筋皮弁を用いて胸壁再建を行った. いずれも軽快退院した. 転帰は生存3...
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| Published in | 山口医学 Vol. 55; no. 1; pp. 40 - 41 |
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| Main Authors | , , , , , , , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
山口大学医学会
28.02.2006
Yamaguchi University Medical Association |
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| ISSN | 0513-1731 |
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| Summary: | 疼痛, 皮膚潰瘍及び出血を伴う局所進行あるいは再発乳癌は患者のQOLを著しく低下させる. このような症例に対して胸壁切除, 再建術が必要となることがある. 当科で局所進行, 再発乳癌7例に対し広範に胸壁を切除し, 腹直筋皮弁を用いて同部の再建を行ったのでその成績を報告する. 症例は36才~75才, 平均46才の女性で, 主訴はいずれも胸痛, 胸壁腫瘤, 皮膚潰瘍及び出血等であり, 患者は病変部の自己管理に難渋していた. 再発6例, 初治療1例(病期IV)であった. 手術方法はいずれも腫瘍を含めて胸壁を広範に合併切除し, 腹直筋皮弁を用いて胸壁再建を行った. いずれも軽快退院した. 転帰は生存3例(1年3ヵ月~11年5ヵ月), 死亡4例(7ヵ月~7年3ヵ月, いずれも癌死)であった. 結語:局所進行, 再発乳癌に対する胸壁合併切除, 腹直筋皮弁を用いた胸壁再建術は患者の身体面, 生活面, 精神面などのQOLを著しく向上させた. |
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| ISSN: | 0513-1731 |