4.病院内接触者検診における新規結核感染診断法による解析
【目的】現在結核患者の接触者に対する検診において, 感染者の発見のためにツベルクリン反応(ツ反)検査が用いられているが, その特異度の低さから判断には困難を伴う. 最近開発された新規結核感染診断法(Quanti FERON-TB第二世代, QFT-2G)は, その特異度と感度より, ツ反に替わりうる診断法と期待されている. 今回, 当病院での接触者検診においてQFT-2Gとツ反の有効性を比較検討したので報告する. 【対象および方法】2003年1月16日登録の結核患者(ガフキー0号, 有症状期間1ヶ月, 年齢38歳, 男性)の接触者検診を行った中で, 接触者44名(男性33名, 女性11名, 平...
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| Published in | 山口医学 Vol. 53; no. 4/5; pp. 254 - 255 |
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| Main Authors | , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
山口大学医学会
31.10.2004
Yamaguchi University Medical Association |
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| ISSN | 0513-1731 |
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| Summary: | 【目的】現在結核患者の接触者に対する検診において, 感染者の発見のためにツベルクリン反応(ツ反)検査が用いられているが, その特異度の低さから判断には困難を伴う. 最近開発された新規結核感染診断法(Quanti FERON-TB第二世代, QFT-2G)は, その特異度と感度より, ツ反に替わりうる診断法と期待されている. 今回, 当病院での接触者検診においてQFT-2Gとツ反の有効性を比較検討したので報告する. 【対象および方法】2003年1月16日登録の結核患者(ガフキー0号, 有症状期間1ヶ月, 年齢38歳, 男性)の接触者検診を行った中で, 接触者44名(男性33名, 女性11名, 平均年齢45. 4歳, 年齢範囲27~60歳)の接触状況調査, ツ反, 胸部X線撮影, およびQFT-2Gを行った. QFT-2G法:全血1mlをそれぞれ生理食塩水, ESAT-6, CFP-10およびマイトージェンにより刺激し37℃で一晩培養後, 産生されたIFN-γをELISA(QuantiFERON-CMI, 株式会社ニチレイ)により測定し, 0. 35IU/ml以上を陽性とした. 【結果】QFT-2Gによる陽性者は7名(陽性率15. 9%)であった. この内1名は結核既往があった. また, ESAT-6, CFP-IO両抗原に陽性を示したのは1名であり, 他はどちらか一方のみに陽性を示した. QFT-2G陽性者のツ反発赤径は平均55. 1mmであり, 範囲は21mmから95mmと広範囲に渡っていた. 一方, 陰性者のツ反発赤径は平均29. 6mmであり, 範囲は0mmから65mmであった. また, 前回のツ反発赤径と今回のツ反発赤径の差が, 20mm以上の者は3名いたが, QFT-2Gは陰性であった. |
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| ISSN: | 0513-1731 |