8.当科における造血細胞移植36症例の検討
近年造血細胞移植は白血病や再生不良性貧血のみならず様々な疾患に対する治療としてその有効性が注目されてきている. 1991年から2003年3月までの12年間に群馬大学小児科にて造血細胞移植を行った36症例(38回)について検討する. 症例は1歳から19歳の男児26例, 女児10例, 原疾患は急性白血病22例, 若年性骨髄単球性白血病2例, 悪性リンパ腫5例, 再生不良性貧血4例, その他(PNET, yolk sac tumor, LCH)3例であった. 移植細胞は自家3回, 血縁者間17回, 非血縁17回, 臍帯血1回, 2003年3月現在の粗生存率は72. 2%である. 白血病等の悪性疾患の...
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Published in | THE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 3; p. 333 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
北関東医学会
01.08.2003
Kitakanto Medical Society |
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ISSN | 1343-2826 |
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Summary: | 近年造血細胞移植は白血病や再生不良性貧血のみならず様々な疾患に対する治療としてその有効性が注目されてきている. 1991年から2003年3月までの12年間に群馬大学小児科にて造血細胞移植を行った36症例(38回)について検討する. 症例は1歳から19歳の男児26例, 女児10例, 原疾患は急性白血病22例, 若年性骨髄単球性白血病2例, 悪性リンパ腫5例, 再生不良性貧血4例, その他(PNET, yolk sac tumor, LCH)3例であった. 移植細胞は自家3回, 血縁者間17回, 非血縁17回, 臍帯血1回, 2003年3月現在の粗生存率は72. 2%である. 白血病等の悪性疾患のうち, 寛解導入不能や再発期のいわゆる非寛解期移植症例9例中4例, 第3, 第4寛解期の移植症例5例中2例が無病生存中であり, 予後不良群にも治癒が期待される. より強力な免疫抑制を必要とする非血縁者間移植において, CMV等のウイルス感染, 再活性化の合併率が高く, この制御が今後の課題となる. |
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ISSN: | 1343-2826 |