4. 脊髄小脳変性症患者における後頭部連続経頭蓋磁気刺激のP300への影響
【目的】脊髄小脳変性症患者(SCD)への後頭部連続経頭蓋磁気刺激(rTMS)でのP300の影響を検討する. 【対象】SCD症例3例で(年齢47~73歳, 男性2例, 女性1例, 罹病期間5~12年, ICARS15~58)小脳失調のみを呈し, 自律神経症状, パーキンソニズムのない症例を対象とした. 臨床的に痴呆や認知障害を有する症例はいなかった. 【方法】rTMSはMagstim200を用い円形コイルで, 喉頭隆起およびそこから左右に4cmの頭蓋上に, 装置の最大出力の80~100%で約0.2Hzの刺激を片面5回ずつ合計30回, 1日1セットで10セット行った. P300はNeuropack...
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          | Published in | リハビリテーション医学 Vol. 42; no. 1; p. 73 | 
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| Main Authors | , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            日本リハビリテーション医学会
    
        18.01.2005
     社団法人日本リハビリテーション医学会 The Japanese Association of Rehabilitation Medicine  | 
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| ISSN | 0034-351X | 
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| Summary: | 【目的】脊髄小脳変性症患者(SCD)への後頭部連続経頭蓋磁気刺激(rTMS)でのP300の影響を検討する. 【対象】SCD症例3例で(年齢47~73歳, 男性2例, 女性1例, 罹病期間5~12年, ICARS15~58)小脳失調のみを呈し, 自律神経症状, パーキンソニズムのない症例を対象とした. 臨床的に痴呆や認知障害を有する症例はいなかった. 【方法】rTMSはMagstim200を用い円形コイルで, 喉頭隆起およびそこから左右に4cmの頭蓋上に, 装置の最大出力の80~100%で約0.2Hzの刺激を片面5回ずつ合計30回, 1日1セットで10セット行った. P300はNeuropackΣを用いて測定し, 2, 000Hzの標的音と1, 000Hzの非標的音を用いた一般的なOddball paradigmを用い, 反応時間の計測のためにボタン押し課題にて初回rTMSの前後ならびに10セット目の前後に測定した. 3例とも入院中に通常の理学療法, 作業療法を並行して行ったが, 薬剤の変更は行わず, TRH製剤の点滴静注を行わなかった. 【結果】初回rTMS前のP300は2例では潜時が320~382msecと正常範囲であったが, 最年長の1例では414~418msecと延長していた. 3例の振幅は2.4~20.3μVと幅があった. 10セット目のrTMS後, 潜時は2例では24msec短縮から60msec延長と一定の傾向を示さなかったが, 1例では10~16msec短縮した. 振幅は2例では1.9~5.1μV増大し, 1例では4.1μV減弱から2.4μV増大と一定の傾向を示さなかった. 【考察】潜時は一定を傾向を示さなかったが, 振幅は増大する傾向があると思われた. | 
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| ISSN: | 0034-351X |