4. ソノポレーション法を用いた口腔癌治療における選択的薬剤導入法

超音波でマイクロバブルを破裂させ, 薬剤を導入するソノポレーション法は, 癌治療における非侵襲的な薬剤導入法と言われてきた. 今回我々は, 本方法と抗EGFR抗体を併用することで, 扁平上皮癌細胞に対して特異的に薬剤を導入する方法の開発を試みた. in vitroにおいて, 本方法で低濃度のBleomycin(BLM)を導入したところ, 著明な癌細胞増殖抑制効果が認められた. さらに, 薬剤導入後の細胞の電子顕微鏡像には, 細胞表面の異形成が認められた. 興味深いことに, 抗体のFab fragmentを用いることで, さらに癌細胞の増殖が抑制された. これらの結果から, Fab fragme...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 6; pp. 259 - 260
Main Author 前田博信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.02.2009
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:超音波でマイクロバブルを破裂させ, 薬剤を導入するソノポレーション法は, 癌治療における非侵襲的な薬剤導入法と言われてきた. 今回我々は, 本方法と抗EGFR抗体を併用することで, 扁平上皮癌細胞に対して特異的に薬剤を導入する方法の開発を試みた. in vitroにおいて, 本方法で低濃度のBleomycin(BLM)を導入したところ, 著明な癌細胞増殖抑制効果が認められた. さらに, 薬剤導入後の細胞の電子顕微鏡像には, 細胞表面の異形成が認められた. 興味深いことに, 抗体のFab fragmentを用いることで, さらに癌細胞の増殖が抑制された. これらの結果から, Fab fragmentを併用することで, より効率的・特異的に薬剤導入が可能であり, 口腔扁平上皮癌に対する化学療法として効果的であることが示唆された.
ISSN:0368-6833