NO.8 心不全における心房性利尿ペプチドの抗酸化作用による心筋保護効果の検討
【目的】心不全患者及び犬心不全モデルにおいて心房性利尿ペプチド(ANP)の抗酸化作用について検討した. 【方法・結果】正常心機能例及び慢性心不全患者から冠静脈洞, 動脈及び尿中よりサンプリングを行い, 酸化ストレスのマーカーである8-ヒドロキシ-2-デオキシグアノシン(8-OHdG)濃度を測定した. その結果, 慢性心不全患者においてのみ, 心筋から8-OHdGが産生され, 尿中8-OHdG濃度は酸化ストレスの良いマーカーであることが示唆された. 急性心不全患者をANP治療群及びニトログリセリン治療群にわけ, 治療前後で血行動態と尿中8-OHdG濃度を比較したところ, 尿中8-OHdGはANP...
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          | Published in | 山口医学 Vol. 57; no. 6; p. 225 | 
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| Main Authors | , , , , , , , , , | 
| Format | Journal Article | 
| Language | Japanese | 
| Published | 
            山口大学医学会
    
        31.12.2008
     Yamaguchi University Medical Association  | 
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| ISSN | 0513-1731 | 
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| Summary: | 【目的】心不全患者及び犬心不全モデルにおいて心房性利尿ペプチド(ANP)の抗酸化作用について検討した. 【方法・結果】正常心機能例及び慢性心不全患者から冠静脈洞, 動脈及び尿中よりサンプリングを行い, 酸化ストレスのマーカーである8-ヒドロキシ-2-デオキシグアノシン(8-OHdG)濃度を測定した. その結果, 慢性心不全患者においてのみ, 心筋から8-OHdGが産生され, 尿中8-OHdG濃度は酸化ストレスの良いマーカーであることが示唆された. 急性心不全患者をANP治療群及びニトログリセリン治療群にわけ, 治療前後で血行動態と尿中8-OHdG濃度を比較したところ, 尿中8-OHdGはANP群で有意に低下した. 犬心不全モデルより単離した心筋細胞を用いて, ANPの心筋細胞に対する直接抗酸化作用を検討した. 不全心筋細胞内で上昇したROSは, ANPの投与にて有意に低下した. 【結論】ANPは心筋細胞に対し抗酸化作用を有しており, 血管拡張や利尿作用による血行動態改善作用以外に, 心筋保護効果があることが示唆された. | 
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| ISSN: | 0513-1731 |