34. 動脈硬化リスクの高い群における喫煙意識について

動脈硬化の高リスク群の喫煙行動の実態や意識を調査し, より適切な指導の一助とすることを目的とした. 方法は労災保険二次健康診断給付対象者に喫煙に関するアンケートを実施・集計した. (送付数350人, 回答者156人, 男性139人, 女性17人, 年齢29~71歳)33名が喫煙者, 禁煙者が81名, 非喫煙者は42名だった. 喫煙群では喫煙の健康に対する害についての認知度は高く, 8割に禁煙動機のあることも確認できた. しかし実際の禁煙行動にでるには難しく, この辺で積極的支援が必要であることが伺われた. 禁煙者群では禁煙は喫煙期間に関係なく可能であり, 禁煙後体重増加が認められるがニコチンパ...

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Published in産業衛生学雑誌 Vol. 50; no. 2; p. 70
Main Authors 安里望, 森口次郎, 井上二奈, 小森友貴, 鈴木伸幸, 櫻木園子, 長井聡里, 池田正之, 武田和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本産業衛生学会 20.03.2008
公益社団法人日本産業衛生学会
Japan Society for Occupational Health
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ISSN1341-0725

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Summary:動脈硬化の高リスク群の喫煙行動の実態や意識を調査し, より適切な指導の一助とすることを目的とした. 方法は労災保険二次健康診断給付対象者に喫煙に関するアンケートを実施・集計した. (送付数350人, 回答者156人, 男性139人, 女性17人, 年齢29~71歳)33名が喫煙者, 禁煙者が81名, 非喫煙者は42名だった. 喫煙群では喫煙の健康に対する害についての認知度は高く, 8割に禁煙動機のあることも確認できた. しかし実際の禁煙行動にでるには難しく, この辺で積極的支援が必要であることが伺われた. 禁煙者群では禁煙は喫煙期間に関係なく可能であり, 禁煙後体重増加が認められるがニコチンパッチ使用でその増加が抑制されることが示唆されたが, ニコチンパッチ使用率は低かった. 禁煙後, 宴席などで喫煙欲求が出ることからそれらの席で注意が必要であることが確認できた. 今回の結果から, 動脈硬化高リスク群に対する外来診療や保健指導の場での積極的禁煙指導の必要性が示唆された.
ISSN:1341-0725