P-30. 介護保険関連施設における口腔ケア時の観察項目

要介護高齢者の直接死因は肺炎が最も多いと言われており, この肺炎を予防するために「介護予防」に「口腔機能向上(口腔ケア)」が組み込まれた. 本研究では, 九州内某県の介護保険関連施設279施設を対象にアンケート調査を行い, その一部の口腔ケアに関する質問と口腔ケア時の観察項目について, 施設の形態別, 口腔ケアに関する研修参加の有無別に検討した. 特筆すべき点は以下の通りであった. 1. 施設の形態を問わず, 口腔乾燥と誤嚥性肺炎の関連や口腔ケアの必要性は理解されているが, 自信を持って口腔ケアを行っている施設は少ないことが明らかとなった. 2. 口腔ケア時の観察項目について施設の形態別に検討...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 62; no. 5; pp. 194 - 195
Main Authors 上森尚子, 尾崎由衛, 榊原葉子, 服部信一, 木村貴之, 唐木純一, 柿木保明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.01.2009
Kyushu Dental Society
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ISSN0368-6833

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Summary:要介護高齢者の直接死因は肺炎が最も多いと言われており, この肺炎を予防するために「介護予防」に「口腔機能向上(口腔ケア)」が組み込まれた. 本研究では, 九州内某県の介護保険関連施設279施設を対象にアンケート調査を行い, その一部の口腔ケアに関する質問と口腔ケア時の観察項目について, 施設の形態別, 口腔ケアに関する研修参加の有無別に検討した. 特筆すべき点は以下の通りであった. 1. 施設の形態を問わず, 口腔乾燥と誤嚥性肺炎の関連や口腔ケアの必要性は理解されているが, 自信を持って口腔ケアを行っている施設は少ないことが明らかとなった. 2. 口腔ケア時の観察項目について施設の形態別に検討したところ, 訪問では入所・通所と比較して観察している項目が少なかった. 研修参加の有無別に検討したところ, 研修に参加した人の方が参加していない人よりも多くの項目を観察していた. 以上のことから, 研修会への参加は口腔ケア時の観察項目を増やすことにつながり, 口腔ケアの質の向上に有効であると思われた.
ISSN:0368-6833