NO.17 妊娠ラットにおける黄体内の血管成熟の変化とAngiopoietin(Ang)-Tie2系の関与

【目的】黄体の発育における血管新生の重要性は知られているが, 血管の質的な変化については報告がない. そこで, 黄体の発育に伴う黄体内の血管成熟とその調節因子であるAngとそのレセプターであるTie2の関与について検討した. 【方法】妊娠ラットの初期(D3, 7, 9), 中期(D12, 15), 退縮期(D21)の黄体について, 血管成熟過程をEvans Blueを用いた血管漏出性(VL)の変化で評価し, 同時にAng-1, Ang-2とTie2発現の変化を検討した. 【結果】VLは黄体発育と共に黄体中期に向かい低下していったが, 退縮期では再び増加した. Ang-1は中期の発育した黄体で高...

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Published in山口医学 Vol. 53; no. 3; p. 191
Main Authors 坂田亜希, 竹谷俊明, 山縣芳明, 田村博史, 杉野法広
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 山口大学医学会 30.06.2004
Yamaguchi University Medical Association
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ISSN0513-1731

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Summary:【目的】黄体の発育における血管新生の重要性は知られているが, 血管の質的な変化については報告がない. そこで, 黄体の発育に伴う黄体内の血管成熟とその調節因子であるAngとそのレセプターであるTie2の関与について検討した. 【方法】妊娠ラットの初期(D3, 7, 9), 中期(D12, 15), 退縮期(D21)の黄体について, 血管成熟過程をEvans Blueを用いた血管漏出性(VL)の変化で評価し, 同時にAng-1, Ang-2とTie2発現の変化を検討した. 【結果】VLは黄体発育と共に黄体中期に向かい低下していったが, 退縮期では再び増加した. Ang-1は中期の発育した黄体で高い発現を示したが, Ang-2とTie2は変化なかった. この黄体発育に伴うVLとAng-1の変化はエストラジオールによって調節されていた. 【結論】妊娠ラット黄体内血管は黄体の発育と共に成熟し, これにはAng-Tie2系が関与していることが示された.
ISSN:0513-1731