2.当院運動療法室における電磁波の測定

【はじめに】高齢人口の増加と医用器械の進歩により, ペースメーカを始めとする体内埋め込み器械を有する患者や輸液ポンプのように体外の医用器械を使用しながら運動療法を行う患者が増加している. これらの器械に影響を与える電磁波環境については, 携帯電話の発するマイクロ波については多くの報告が存在するが, 運動療法室内の電磁波環境に関する報告はほとんどみられない. そこで電磁波測定装置を用いて各種機械から発生する電磁波を測定することとした. 【目的と方法】運動療法室内の電磁波環境を調査するために, 当院運動療法室内において日常使用されている各種機械から発生する電磁波の強度のうち, マイクロ波と磁界強度...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 43; no. 1; pp. 63 - 64
Main Authors 居川幸正, 生駒一憲, 堀 享一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.01.2006
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:【はじめに】高齢人口の増加と医用器械の進歩により, ペースメーカを始めとする体内埋め込み器械を有する患者や輸液ポンプのように体外の医用器械を使用しながら運動療法を行う患者が増加している. これらの器械に影響を与える電磁波環境については, 携帯電話の発するマイクロ波については多くの報告が存在するが, 運動療法室内の電磁波環境に関する報告はほとんどみられない. そこで電磁波測定装置を用いて各種機械から発生する電磁波を測定することとした. 【目的と方法】運動療法室内の電磁波環境を調査するために, 当院運動療法室内において日常使用されている各種機械から発生する電磁波の強度のうち, マイクロ波と磁界強度について3軸電磁波測定装置を用いて計測した. 【結果】経皮的電気刺激治療器, 波動型エアマッサージ器, 自転車エルゴメータから至近距離で高い磁界を認めたが, 1mの距離で安全域以下となった. 極超短波ジアテルミーからは強いマイクロ波を検出し, 1m離れても電力密度は0.9mW/cm2と高値であり, 医療器械に対する影響が懸念される値であった. 【考察】電動モーターを有する器械は比較的高い磁界を発生させたが, lmの距離を保つことで安全域以下となり, 施術者および患者に対する影響は回避可能であると考えられた. 極超短波ジアテルミーは高い電力密度値を示し, 理学療法士に対するアンケート調査でも同器械により誤作動の報告が認められたことから, 運動療法内の適切な遮蔽環境の確保や体内および体外に医用器械を有する患者の時間的および空間的管理が必要であると考えられた.
ISSN:0034-351X