線維筋痛症をどう生きるか ~患者力

「抄録」:医療が進んでも永遠のテーマであり続ける身体と心の痛み. 線維筋痛症患者の痛みはなぜ理解されにくいのか. 患者であろうとなかろうと, 人は身体を使っての表現者である. 患者はまず自分が表現者であること, そのためにはまず自分について知らなければならない. これまで, 「1:患者の本音」「2:患者と医療者とのミスコミュニケーション」「3:患者の実態」について調べてきた. それらを踏まえ, 本稿では「患者力」の要諦を以下の5つに分け, それぞれの段階について考察したい. 1:表現者としての自分について学ぶ力. 大事な情報(事実・Fact)と物語は当事者が持っていること, 複雑性, 多様性で...

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Published inComprehensive Medicine 全人的医療 Vol. 17; no. 1; pp. 46 - 53
Main Author 橋本裕子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本実存療法学会 25.03.2018
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ISSN1341-7150

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Summary:「抄録」:医療が進んでも永遠のテーマであり続ける身体と心の痛み. 線維筋痛症患者の痛みはなぜ理解されにくいのか. 患者であろうとなかろうと, 人は身体を使っての表現者である. 患者はまず自分が表現者であること, そのためにはまず自分について知らなければならない. これまで, 「1:患者の本音」「2:患者と医療者とのミスコミュニケーション」「3:患者の実態」について調べてきた. それらを踏まえ, 本稿では「患者力」の要諦を以下の5つに分け, それぞれの段階について考察したい. 1:表現者としての自分について学ぶ力. 大事な情報(事実・Fact)と物語は当事者が持っていること, 複雑性, 多様性である以上, 正解はないということを理解する. 2:自分の症状を医師に伝えるコミュニケーション能力. 3:周囲の人に自分の状況を伝え, 助けを求める力. 4:自分の状況を判断して, 自分で乗り越える力. セルフマネジメント力と成長モデル. 5:持続的に自分の状況を把握し, 実存的意義を見失わずに生きる力. レジリエンス.
ISSN:1341-7150