BERTopicモデルを利用した震災復興研究 - 宮城県議会議員は何を発言してきたのか

「1. はじめに」 東日本大震災の発災から13年以上が経過した. 時間を経ることに伴い, 宮城県や岩手県のような大規模な津波に見舞われた自治体の選挙の争点から, 震災復興は消えつつある(e. g., 河村・伊藤, 2017). 同様に震災直後は数多く研究業績があった復興研究であるが, 復興が進むとともにそれらは少なくなりつつある. ところで, 日本では, 首長と地方議会が住民の代表として自治体の意思決定・政策遂行を行う. しかしながら, 大規模災害の発災初期においては, 政策知識に関する情報の非対称性から, 地方議員が専門的な情報発信をし, 意思決定の主導権を握ることは稀である. 復興が進むに...

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Published in行動計量学 Vol. 51; no. 2; pp. 181 - 191
Main Authors 李昕翮, 河村和徳, 木村泰知
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本行動計量学会 30.09.2024
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ISSN0385-5481

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Summary:「1. はじめに」 東日本大震災の発災から13年以上が経過した. 時間を経ることに伴い, 宮城県や岩手県のような大規模な津波に見舞われた自治体の選挙の争点から, 震災復興は消えつつある(e. g., 河村・伊藤, 2017). 同様に震災直後は数多く研究業績があった復興研究であるが, 復興が進むとともにそれらは少なくなりつつある. ところで, 日本では, 首長と地方議会が住民の代表として自治体の意思決定・政策遂行を行う. しかしながら, 大規模災害の発災初期においては, 政策知識に関する情報の非対称性から, 地方議員が専門的な情報発信をし, 意思決定の主導権を握ることは稀である. 復興が進むにつれ, 地方議員の発言は変容し, 復興にかかる発言量も増えていく傾向にある(e. g., 河村・伊藤, 2017). 大規模自然災害の発生直後やパンデミック下といった非常時における議員行動を研究することは, 二元代表制の理解やそれが抱える制度的課題を発見することにつながる.
ISSN:0385-5481