結核外科治療の財産と次世代への継承

「要旨」: 第89回日本結核病学会総会 (岐阜) においてシンポジウム「結核外科治療の財産と次世代への継承」が開催された. このシンポジウムの目的は, 結核外科治療の歴史とこれまでの発展を振り返ることである. 同時にこれらの技術が次世代にどのように貢献するかも議論された. 長い歴史の中で区域切除術, 胸郭成形術, 筋弁充填術, 大網充填術, 開窓術, 空洞切開術, ]R皮術等の独創的で普遍的な技術が熟成された. 抗結核薬の開発に伴い外科の役割は縮小したように思われている. しかし, 多剤耐性結核や非結核性抗酸菌症にはまだ外科的技術は必要とされている. 核心的な技術は肺癌, 真菌症, 膿胸, 中...

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Published in結核 Vol. 91; no. 10; pp. 631 - 640
Main Authors 丹羽宏, 中島由槻, 荒井他嘉司, 井内敬二, 白石裕治, 菊池功次, 長谷川誠紀, 遠藤俊輔
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核病学会 01.10.2016
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」: 第89回日本結核病学会総会 (岐阜) においてシンポジウム「結核外科治療の財産と次世代への継承」が開催された. このシンポジウムの目的は, 結核外科治療の歴史とこれまでの発展を振り返ることである. 同時にこれらの技術が次世代にどのように貢献するかも議論された. 長い歴史の中で区域切除術, 胸郭成形術, 筋弁充填術, 大網充填術, 開窓術, 空洞切開術, ]R皮術等の独創的で普遍的な技術が熟成された. 抗結核薬の開発に伴い外科の役割は縮小したように思われている. しかし, 多剤耐性結核や非結核性抗酸菌症にはまだ外科的技術は必要とされている. 核心的な技術は肺癌, 真菌症, 膿胸, 中皮腫等の他の多くの呼吸器疾患に応用されている. 本稿では講演内容の要約を掲載する.
ISSN:0022-9776