4.下肢切断を繰り返し施行した左下肢慢性骨髄炎の症例

症例は65歳, 男性. 左腓骨骨折に対して観血的整復固定術施行されたが, 創部からの排膿および左下腿疼痛持続するため当院形成外科へ入院した. デブリドメントを繰り返すが, 感染の改善なく, 手術想定して当科コンサルトされた. 左腓骨骨髄炎, 多発性脳梗塞による両不全片麻痺, 視力障害, 狭心症, 閉塞性動脈硬化症, 痴呆, 糖尿病, 高血圧を合併していた. 当科としては早期治癒, 早期ADLの自立, 早期退院目的で大腿切断を勧めるが形成外科, 本人, 家族の希望で腓骨部分切除で対処された. しかし骨髄炎併発し, 疼痛増悪したため下腿切断となった. その後もさらに感染, 疼痛が進行性に増悪し,...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 42; no. 5; p. 340
Main Authors 小笠原浩気, 村上理子, 寺本洋一, 新舎規由, 石神重信
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.05.2005
社団法人日本リハビリテーション医学会
The Japanese Association of Rehabilitation Medicine
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ISSN0034-351X

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Summary:症例は65歳, 男性. 左腓骨骨折に対して観血的整復固定術施行されたが, 創部からの排膿および左下腿疼痛持続するため当院形成外科へ入院した. デブリドメントを繰り返すが, 感染の改善なく, 手術想定して当科コンサルトされた. 左腓骨骨髄炎, 多発性脳梗塞による両不全片麻痺, 視力障害, 狭心症, 閉塞性動脈硬化症, 痴呆, 糖尿病, 高血圧を合併していた. 当科としては早期治癒, 早期ADLの自立, 早期退院目的で大腿切断を勧めるが形成外科, 本人, 家族の希望で腓骨部分切除で対処された. しかし骨髄炎併発し, 疼痛増悪したため下腿切断となった. その後もさらに感染, 疼痛が進行性に増悪し, 遂には大腿切断を余儀なくされた. 視力障害, 両片麻痺, 狭心症, 膝, 股関節の屈曲拘縮, 痴呆といった多くのリスクファクターを抱えており義足歩行の適応はないと判断し車椅子レベルとした. 度重なる手術で治療期間は遷延化したが, 自宅退院でき, ADLを維持できた.
ISSN:0034-351X