当科における15年間の口唇・口蓋裂一次症例の臨床観察
「和文要旨」(背景) 口唇口蓋裂は先天性体表異常で最も多い疾患であり, 日本では出生500から600人に1人程度の発生頻度と報告されているが富山県での発生状況に関する報告はこれまでにない. そこで富山大学附属病院顎口腔外科特殊歯科における15年間の口唇口蓋裂患者の受診状況を調査し検討したので報告する. (対象) 2005年から2019年までに当科を受診した口唇口蓋裂一次症例患者157人を対象とした. (結果) 裂型は口蓋裂が最も多く, 次いで口唇口蓋裂であった. 口蓋裂単独症例は女児に多く, 裂側では左側が多かった. 合併症は51人(32.5%)の患児に認められた. (考察) 裂型や性別, 合...
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Published in | TOYAMA MEDICAL JOURNAL Vol. 32; no. 1; pp. 30 - 34 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
富山大学医学会
31.03.2021
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ISSN | 2189-2466 |
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Summary: | 「和文要旨」(背景) 口唇口蓋裂は先天性体表異常で最も多い疾患であり, 日本では出生500から600人に1人程度の発生頻度と報告されているが富山県での発生状況に関する報告はこれまでにない. そこで富山大学附属病院顎口腔外科特殊歯科における15年間の口唇口蓋裂患者の受診状況を調査し検討したので報告する. (対象) 2005年から2019年までに当科を受診した口唇口蓋裂一次症例患者157人を対象とした. (結果) 裂型は口蓋裂が最も多く, 次いで口唇口蓋裂であった. 口蓋裂単独症例は女児に多く, 裂側では左側が多かった. 合併症は51人(32.5%)の患児に認められた. (考察) 裂型や性別, 合併症などはこれまでの本邦における報告と同様であった. 富山県の出生児数の推移から考えると, 当科での1次症例は治療を必要とする富山県内の口唇口蓋裂患者の多くを反映しているものと思われた. 口唇口蓋裂は遺伝的因子と環境因子の多因子疾患であるため, 今後も地域における口唇口蓋裂の発生状況に留意していきたい. |
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ISSN: | 2189-2466 |