バレーボール男子ナショナルチームの遠征帯同における10年間の対応疾患調査

〔要旨〕日本バレーボール協会は国内外の遠征に医師を帯同させており, その間の対応疾患を記録してきた. 「スポーツ外傷・障害および疾病調査に関する提言書(2022)」を用いて, 2011年からの10シーズンにわたる対応疾患(外傷・障害, 疾病)を整理した. 総帯同日数は593日で, 3人の整形外科医が62選手, 515疾患に対応していた. 外傷, 障害, 疾病は各々97, 226, 192件であった. 外傷では足関節, 手指の順で多くみられた. 障害の部位別では膝関節が最多で, 足関節, 肩関節が続いた. 疾病は呼吸器が最多で, 消化器, 皮膚が続いた. 外傷よりも障害が多いことや, 部位別の傾...

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Published in日本臨床スポーツ医学会誌 Vol. 33; no. 2; pp. 324 - 330
Main Authors 西野衆文, 西田雄亮, 橋本吉登, 林光俊
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床スポーツ医学会 30.04.2025
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ISSN1346-4159

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Summary:〔要旨〕日本バレーボール協会は国内外の遠征に医師を帯同させており, その間の対応疾患を記録してきた. 「スポーツ外傷・障害および疾病調査に関する提言書(2022)」を用いて, 2011年からの10シーズンにわたる対応疾患(外傷・障害, 疾病)を整理した. 総帯同日数は593日で, 3人の整形外科医が62選手, 515疾患に対応していた. 外傷, 障害, 疾病は各々97, 226, 192件であった. 外傷では足関節, 手指の順で多くみられた. 障害の部位別では膝関節が最多で, 足関節, 肩関節が続いた. 疾病は呼吸器が最多で, 消化器, 皮膚が続いた. 外傷よりも障害が多いことや, 部位別の傾向は過去の報告と同様であった. 疾病は上記以外に不眠など海外遠征に起因するものもあり, 対策を講じる必要がある. バレーボール競技におけるフル代表の長期間に渡るメディカルレポートは過去に報告はなく, 今後のメディカルサポートにおける一助となることを望む.
ISSN:1346-4159