地域脳神経内科診療所におけるパーキンソン病患者の臨床的および社会的受療状況調査

「要旨」脳神経内科診療所に通院するパーキンソン病患者の受療状況について診療録を用いて調査した. その結果, 1) 発症早期に受診する患者が半数を占める, 2) 徒歩や自転車, バスなどを利用する患者が軽症者に多く, 介護・福祉タクシーや家族の車などへの依存は重症者に多い, 3) 健康診断, 予防接種, 介護保険申請や訪問看護指示書の作成件数が多いことが明らかになった. パーキンソン病が脳神経内科疾患であることが近隣に周知されてきており, 脳神経内科診療所がパーキンソン病の早期診断に寄与していると考えられた. また, 多様な通院方法に対応できる地域の医療機関として, パーキンソン病患者のマネジメ...

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Published in運動障害 Vol. 31; no. 2; pp. 53 - 59
Main Authors 師尾郁, 平野成樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本運動障害研究会 15.01.2021
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ISSN0917-5601

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Summary:「要旨」脳神経内科診療所に通院するパーキンソン病患者の受療状況について診療録を用いて調査した. その結果, 1) 発症早期に受診する患者が半数を占める, 2) 徒歩や自転車, バスなどを利用する患者が軽症者に多く, 介護・福祉タクシーや家族の車などへの依存は重症者に多い, 3) 健康診断, 予防接種, 介護保険申請や訪問看護指示書の作成件数が多いことが明らかになった. パーキンソン病が脳神経内科疾患であることが近隣に周知されてきており, 脳神経内科診療所がパーキンソン病の早期診断に寄与していると考えられた. また, 多様な通院方法に対応できる地域の医療機関として, パーキンソン病患者のマネジメント機能を担っていると考えられた.
ISSN:0917-5601