看取りの医療

「1. はじめに」日本は2007年に超高齢社会(高齢化率が21%以上)となった. その後も高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)は上昇し, 日本の2015年における高齢化率は26.7%となり世界のトップランナーとなっている. また, 2010年の死亡者数は120万人であるが2030年には160万人に増加すると予想されている. 2010年の時点で病院では90万人の方が亡くなっているが, 病床数が増えない現状では, 将来増加すると見込まれる40万人の方々が病院では最期をすごすことができない. 介護老人施設か自宅で看取りを行わなければならない状況となる. すなわち, これからの医療に...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 120; no. 11; pp. 1377 - 1380
Main Author 田村学
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.11.2017
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ISSN0030-6622

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Summary:「1. はじめに」日本は2007年に超高齢社会(高齢化率が21%以上)となった. その後も高齢化率(65歳以上の高齢者人口が総人口に占める割合)は上昇し, 日本の2015年における高齢化率は26.7%となり世界のトップランナーとなっている. また, 2010年の死亡者数は120万人であるが2030年には160万人に増加すると予想されている. 2010年の時点で病院では90万人の方が亡くなっているが, 病床数が増えない現状では, 将来増加すると見込まれる40万人の方々が病院では最期をすごすことができない. 介護老人施設か自宅で看取りを行わなければならない状況となる. すなわち, これからの医療には在宅医療が不可欠となる. 「2. 在宅医療に必要な技術」在宅医療における患者さんは高齢者が中心であるため, 癌患者が必然的に多くなる. 図2に平成27年のおおさか往診クリニックにおける疾患割合を示す.
ISSN:0030-6622