二語文発話のない幼児への一事例の実験デザインによるVOCAを用いた多語発話訓練の効果
「要旨」 単語レベルの発語は200程度あるものの, 二語文以上の多語発話のない2歳11ヵ月の幼児に対して, VOCA(Voice Output Communication Aid)を用いた二語文, 三語文の発話訓練を行った. 訓練に先立ち, 理解語, 表出語を調べるために語彙チェックリストを作成し, 表出できる名詞, 動詞, 形容詞を抽出した. 抽出した語から二語文, 三語文の文型を決定し, VOCAのオーバーレイに抽出された語をシンボル化して配置した. また, 抽出した語の事物(模型, ミニチュア)を準備した. 対象児は, 見本刺激(事物)とシンボル(VOCA)のpointingによる見本合...
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| Published in | 高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 14; pp. 1 - 6 |
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| Main Authors | , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
高知リハビリテーション学院
31.03.2012
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| ISSN | 1345-5648 |
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| Summary: | 「要旨」 単語レベルの発語は200程度あるものの, 二語文以上の多語発話のない2歳11ヵ月の幼児に対して, VOCA(Voice Output Communication Aid)を用いた二語文, 三語文の発話訓練を行った. 訓練に先立ち, 理解語, 表出語を調べるために語彙チェックリストを作成し, 表出できる名詞, 動詞, 形容詞を抽出した. 抽出した語から二語文, 三語文の文型を決定し, VOCAのオーバーレイに抽出された語をシンボル化して配置した. また, 抽出した語の事物(模型, ミニチュア)を準備した. 対象児は, 見本刺激(事物)とシンボル(VOCA)のpointingによる見本合わせを求められた. 訓練効果を測定するために一事例の実験デザインを用いた. 結果, 口頭による二語文, 三語文の命名率は, ベースライン期ほぼ0%, 確認期は, 二語文ほぼ100%, 動作語課題の三語文は11%程度であったが, その他の三語文課題は89%程度であった. 訓練で使用した多語文の日常生活での出現率は, 母親からの聞き取りで90%以上であった. |
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| ISSN: | 1345-5648 |