19.患者と共にハーセプチン治療に臨んで -ハーセプチンダイアリーを通して

【緒論】当院外科では進行再発乳癌患者にハーセプチンを使用した日帰りもしくは短期間入院での化学療法を行っている. ただし, その際に医療者とのコミュニケーションに対し満足が得られていないという面があった. また在宅における患者さんの体調の変化や体調管理を医療者が把握し難い状況にあった. そこで, 在宅での状況を記録用紙(以下ハーセプチンダイアリー)に記入して頂くことで患者さんの自己管理能力の向上を図り, 医療者も在宅中の体調変化を把握し, 医療者と患者さんが一体感を持って治療を進めることを目的とし本研究を開始した. 【対象】当院外科病棟にてハーセプチン治療を受けている進行再発乳癌患者12名. 【...

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Published inTHE KITAKANTO MEDICAL JOURNAL Vol. 53; no. 2; p. 214
Main Authors 市川加代, 村井綾子, 平井美奈子, 入澤のり子, 主代信子, 木村仁, 片山和久, 根岸健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 北関東医学会 01.05.2003
Kitakanto Medical Society
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ISSN1343-2826

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Summary:【緒論】当院外科では進行再発乳癌患者にハーセプチンを使用した日帰りもしくは短期間入院での化学療法を行っている. ただし, その際に医療者とのコミュニケーションに対し満足が得られていないという面があった. また在宅における患者さんの体調の変化や体調管理を医療者が把握し難い状況にあった. そこで, 在宅での状況を記録用紙(以下ハーセプチンダイアリー)に記入して頂くことで患者さんの自己管理能力の向上を図り, 医療者も在宅中の体調変化を把握し, 医療者と患者さんが一体感を持って治療を進めることを目的とし本研究を開始した. 【対象】当院外科病棟にてハーセプチン治療を受けている進行再発乳癌患者12名. 【方法】1. ハーセプチンダイアリー作成. 2. アンケート調査. 【結果】ハープチンダイアリー使用後のアンケートの結果, 73%(8/11名)がハーセプチンダイアリーの記入により自分の体調の変化が把握しやすくなったとの解答が得られた, また感染予防など自己管理に対してはまあまあできたとの解答を含め全員が行えていたとの結果が得られた. ダイアリーを通して81%(9/11名)の患者さんが医療者とのコミュニケーションを諮ることができた. 【まとめ】ハーセプチンダイアリーを作成した事により患者さんの在宅での自己管理能力が向上した. また医療者とのコミュニケーションを諮ることで患者さんと一体感をもって治療を進めることができ, 癌化学治療における不安の軽減にもつながった.
ISSN:1343-2826