Hirschsprung病術後5年目の術式別排便機能評価 (病型別評価を加えて)
「要旨」【目的】Hirschsprung病 (H病) 根治術後5年目の臨床的排便機能を各根治術式別に調査した. 【方法】1991年から2010年に出生し当院で根治術を行ったH病患児105例を対象とし, 無神経節腸管の長さでshort type (SHORT), long type (LONG), およびtotal type (TOTAL) に分け, 根治術式で以下のように群分けした. SHORT84例はTAEPT群 (T群) 51例と開腹Soave群 (開腹S群) 26例, 開腹Duhamel群 (開腹D群) 7例に, LONG11例はSoave群 (S群) 6例とDuhamel群 (D群)...
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Published in | 日本小児外科学会雑誌 Vol. 54; no. 5; pp. 1056 - 1064 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本小児外科学会
20.08.2018
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ISSN | 0288-609X |
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Summary: | 「要旨」【目的】Hirschsprung病 (H病) 根治術後5年目の臨床的排便機能を各根治術式別に調査した. 【方法】1991年から2010年に出生し当院で根治術を行ったH病患児105例を対象とし, 無神経節腸管の長さでshort type (SHORT), long type (LONG), およびtotal type (TOTAL) に分け, 根治術式で以下のように群分けした. SHORT84例はTAEPT群 (T群) 51例と開腹Soave群 (開腹S群) 26例, 開腹Duhamel群 (開腹D群) 7例に, LONG11例はSoave群 (S群) 6例とDuhamel群 (D群) 5例に, TOTAL10例はS群2例とD群2例, Martin群 (M群) 6例に分けた. 直腸肛門機能研究会の臨床的排便機能評価スコアを参考に根治術後5年目の臨床的排便機能 (便失禁, 汚染, 便回数, 便秘, 便意) について診療録を用いて後方視的に調査した. 【結果】SHORTでは各排便機能の有意な差は群間になかったが, T群と開腹S群ではD群に比べ汚染が多い傾向を, 開腹D群は便秘傾向を認めた. LONGでは両群間に差はなかった. TOTALではS群は「便失禁」, 「汚染」, 「便回数」の各項目で他群より点数が低い傾向にあった. 【結論】術後5年目の時点ではSoave法は汚染の傾向が, Duhamel法は便秘の傾向があったが有意ではなかった. さらなる症例の集積と長期フォローアップにより, H病根治術式の特徴を把握し, 病型ごとに適切な術式選択と排便管理を行うことがQOL向上に重要である. |
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ISSN: | 0288-609X |