視空間認知障害児への色積木の立体構成による視覚的推理向上を目的とした訓練教材開発

「要旨」 視空間認知障害児に対して, 色積木の立体構成による視覚的推理向上を目的とした訓練教材を開発し, 2症例に対して訓練を行った. 訓練効果の測定は, WISC-IVの知覚推理の合成得点を用いた. また, 視空間認知と視覚的推理を比較するために, 視空間認知の指標としてWISC-IVの積木模様の評価点, 視覚的推理の指標として行列推理の評価点を選択した. 結果, 症例1では, 知覚推理+17, 積木模様+2, 行列推理+3であった. 症例2では, 知覚推理+11, 積木模様+1, 行列推理+2であった. 症例1, 2を合わせた平均変化は, それぞれ, 知覚推理の合成得点+14.0, 積木模...

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Published in高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 14; pp. 7 - 12
Main Authors 稲田勤, 有田未来, 西森有紗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 高知リハビリテーション学院 31.03.2012
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ISSN1345-5648

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Summary:「要旨」 視空間認知障害児に対して, 色積木の立体構成による視覚的推理向上を目的とした訓練教材を開発し, 2症例に対して訓練を行った. 訓練効果の測定は, WISC-IVの知覚推理の合成得点を用いた. また, 視空間認知と視覚的推理を比較するために, 視空間認知の指標としてWISC-IVの積木模様の評価点, 視覚的推理の指標として行列推理の評価点を選択した. 結果, 症例1では, 知覚推理+17, 積木模様+2, 行列推理+3であった. 症例2では, 知覚推理+11, 積木模様+1, 行列推理+2であった. 症例1, 2を合わせた平均変化は, それぞれ, 知覚推理の合成得点+14.0, 積木模様の評価点+1.5, 行列推理の評価点+2.5であった. 2症例の知覚推理の平均変化が+14.0であったことは, 本研究の訓練課題が有効であったと考えられた. また, 視空間認知の指標(積木模様)の評価点平均変化が+1.5, 視覚的推理の指標(行列推理)の評価点平均変化が+2.5であり, 視覚的推理の指標が1.0上回ったことから, 本研究の課題は, 視覚的推理の向上に有効であることが示唆された.
ISSN:1345-5648