幼児1例における吃音の自然治癒までの縦断的検討
「要旨」本研究では, 自然治癒が認められた1症例に対し, 吃音の発生率と症状を縦断的に分析し, 先行研究で実施された因子に質的検討を加えて, 自然治癒に至った要因を考察した. 対象は発吃年齢2歳7ヶ月の女児1名であり, 発話の分析対象には養育者との自由会話50文節を用いて, 月単位での総非流暢性とStutterig-Like Disfluency(以下, SLD)発生率を分析した. また, 吃音症状分類のA群とC群の症状数についても分析を行った. 本症例の自然治癒の過程から, 吃音症状の分析については, Yairiの報告したSLDの変化のみならず, A群・C群の症状の質的変化にも注意することの...
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| Published in | 高知リハビリテーション学院紀要 Vol. 10; pp. 37 - 39 |
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| Main Authors | , , , , , , , |
| Format | Journal Article |
| Language | Japanese |
| Published |
高知リハビリテーション学院
2008
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| Online Access | Get full text |
| ISSN | 1345-5648 |
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| Summary: | 「要旨」本研究では, 自然治癒が認められた1症例に対し, 吃音の発生率と症状を縦断的に分析し, 先行研究で実施された因子に質的検討を加えて, 自然治癒に至った要因を考察した. 対象は発吃年齢2歳7ヶ月の女児1名であり, 発話の分析対象には養育者との自由会話50文節を用いて, 月単位での総非流暢性とStutterig-Like Disfluency(以下, SLD)発生率を分析した. また, 吃音症状分類のA群とC群の症状数についても分析を行った. 本症例の自然治癒の過程から, 吃音症状の分析については, Yairiの報告したSLDの変化のみならず, A群・C群の症状の質的変化にも注意することの必要性が示唆された. 【はじめに】吃音の自然治癒とは, 吃音を回復させられると理論的に考えられる治療を現在受けていないあるいは全く受けずに回復した場合のことである1). 自然治癒および完全な治癒は, 初期の吃音症状を呈した全ての児の60~80%に起きる2). |
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| ISSN: | 1345-5648 |