(2)経腸成分栄養法の臨床的意義-その問題点と対策

クローン病の薬物療法と栄養療法(世界での流れ) Crohn病に対する日本での治療法は, 難病研究班の治療指針にしたがうと, 大きく活動期の緩解導入と緩解期の緩解維持療法に2分され, その内容としては「栄養療法」と「薬物療法」から成り立っている. 日本では, 成分栄養剤を用いた経腸栄養療法が第一選択となっている. 他方, 2000年アメリカで出版されたEvidence-based medicine(EBM)のテキストである, 「Evidence based gastroenterology and hepatology」では, 栄養療法は栄養状態が悪いときの補助療法にしか過ぎないとされている....

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Published in医療 Vol. 57; no. 2; pp. 113 - 115
Main Authors 正田良介, 松枝 啓
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 01.02.2003
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ISSN0021-1699

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Summary:クローン病の薬物療法と栄養療法(世界での流れ) Crohn病に対する日本での治療法は, 難病研究班の治療指針にしたがうと, 大きく活動期の緩解導入と緩解期の緩解維持療法に2分され, その内容としては「栄養療法」と「薬物療法」から成り立っている. 日本では, 成分栄養剤を用いた経腸栄養療法が第一選択となっている. 他方, 2000年アメリカで出版されたEvidence-based medicine(EBM)のテキストである, 「Evidence based gastroenterology and hepatology」では, 栄養療法は栄養状態が悪いときの補助療法にしか過ぎないとされている. その第一の理由として, 緩解導入療法としては薬物療法, とくにステロイド剤が有効であることがあげられる. 1979年のアメリカでのNational Crohn's disease cooperative study(NCCS)の結果では1), ステロイド剤の方が, sulfasalazineやazathioprineよりも緩解導入に関しては有効であることが示されている. (成分)経腸栄養法も緩解導入に有効なことは報告されているが2), ステロイド剤に比較するとそこまでは強力ではないことが, Meta-analysisで1995年に示されている3).
ISSN:0021-1699