料理選択型栄養教育をふまえた一食単位の食事構成力形成に関する研究 -「弁当箱ダイエット法」による食事の適量把握に関する介入プログラムとその評価

食べ手の栄養ニーズ等に対応した食事構成力を形成するための教育は, 1日を単位として示された栄養所要量(栄養素選択型栄養教育)や, 食品構成とその重量からなる食品群(食材料選択型栄養教育)を基準1)として, 構成された食事の点検, 評価をしつつ完成度を高めるプロセスを通して進められている. 従来, この方法は, 小, 中, 高等学校等の学校教育の家庭科や一般生活者向けに, また, 栄養士, 家庭科教員等の専門家養成における家政学, 調理学, 栄養学等で「献立作成」の科目や領域として取り上げられてきた2~7). また, 治療目的には, エネルギー量を単位とした(例80kcal)食品構成等も用いられ...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in栄養学雑誌 Vol. 61; no. 6; pp. 349 - 356
Main Author 針谷順子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本栄養改善学会 01.12.2003
Online AccessGet full text
ISSN0021-5147

Cover

More Information
Summary:食べ手の栄養ニーズ等に対応した食事構成力を形成するための教育は, 1日を単位として示された栄養所要量(栄養素選択型栄養教育)や, 食品構成とその重量からなる食品群(食材料選択型栄養教育)を基準1)として, 構成された食事の点検, 評価をしつつ完成度を高めるプロセスを通して進められている. 従来, この方法は, 小, 中, 高等学校等の学校教育の家庭科や一般生活者向けに, また, 栄養士, 家庭科教員等の専門家養成における家政学, 調理学, 栄養学等で「献立作成」の科目や領域として取り上げられてきた2~7). また, 治療目的には, エネルギー量を単位とした(例80kcal)食品構成等も用いられている8). しかし, ライフスタイルや健康上の問題, 食事, 料理形態や食情報が多様化し9), 食事づくり経験が軽減している今日, 食物の一成分として抽象的な存在である栄養素等は実践に結びつきにくく, 食事づくり経験の少ない子どもや男性には食品重量等の把握が困難である等, 従来の栄養素等構成, 食材料構成に基礎をおいた教育方法だけでは, 学習効果が上がりにくいことが指摘されている1~14).
ISSN:0021-5147